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債務整理は生活保護を受給中でも可能?注意点や相談方法・費用も解説

生活保護を受給しているものの借金が苦しい場合、債務整理が可能なのかどうかは気になるところです。
また、これから債務整理を検討していて、手続き後に生活保護を受けられるのかを知りたいという人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、生活保護を受けている人が債務整理をする際に知っておきたいポイントや、専門家への相談方法と費用、注意点を紹介します。


司法書士法人相澤法務事務所は2009年東京都板橋区にて開業2019年で10周年を迎える。
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司法書士法人相澤法務事務所

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代表司法書士 相澤 剛

生活保護受給中に債務整理をする前に知りたい3つのポイント

生活保護を受給している状態だからといって、借金が帳消しにされるわけではありません。
借金がある以上は何らかの債務整理が必要となってくるでしょう。
ここでは、債務整理を検討する前に知っておくと役に立つポイントを3つ紹介していきます。

法的に借金返済は可能なのか

生活保護法では、世帯収入、生活保護費とともに使いみちに関しては基本的に自由となっています。
つまり、法律のうえでは物品の購入はもとより金銭の使用用途についての可否は明確にはされてはいないということです。
生活保護法60条には、「収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない」と書かれています。
これは、金銭の使用用途が常識的な範囲であれば特に問題にはあたらないということです。

法律のうえでは、受給された生活保護費や世帯収入での借金返済は明確に禁止されているわけではないことがわかります。

実際に返済は可能なのか

先の段落で述べたように、生活保護費や世帯収入を借金返済にあてることは法的には明確には禁止されていません。
しかし、現実的にはやや難しい可能性があるといっても過言ではないでしょう。
生活保護を管理しているのは厚生労働省ですが、この厚生労働省が提示している「生活保護制度に関するQ&A」のなかでの答えが「保護費から住宅ローンを返済することは、最低限度の生活を保障する生活保護制度の趣旨からは、原則として認められません。
」です。
このQ&Aからもわかるように、生活保護者が金銭を借金の返済にあてることは難しいといわざるをえないでしょう。

また、生活保護中の債務整理、生活保護費支給継続の可否は、その地域を管轄している「福祉事務所」が判断します。
生活保護費を受給しているにも関わらず、その費用のほとんどを債務整理した後の借金返済にあてるようなことをすれば、注意を受けたり、下手をすれば受給停止といった可能性も否定はできないでしょう。
ただし、あくまでも「原則」なので、実際のところは各世帯の状況に合わせた対応をしてもらえる可能性はあります。

例えば、5万円の借金がある生活保護受給者が、5万円のために債務整理をしたところで債務整理費用の方が高くついてしまい、メリットが皆無になってしまうような場合です。
極端なケースですが、こういった場合は例外的に借金返済が認められる可能性があるといえます。

最適な債務整理の方法とは

生活保護費受給者、またはこれから生活保護費を受給する可能性がある人に適した債務整理の方法があります。
債務整理の主な方法は、任意整理、民事再生(個人再生)、自己破産の3つです。
また、これらのほかに裁判所の調停手続きを利用する特定調停といった方法もあります。
特定調停は任意整理で和解に至らなかった場合に選択されることの多い方法で、任意整理が債権者を選択することが可能なのと同じように特定調停も債権者の選択が可能です。

任意整理は、金利を利息制限法の上限金利まで引き下げ、借金を再計算することで減額して金利をカット、元本のみを3年ほどに分けて返済という形で業者と和解して返済にあたる、という手続きを行います。
また、先に述べたように任意整理は債権者の選択が可能です。
民事再生(個人再生)は、例えば住宅のように失いたくない財産を維持しながら、借金の額や保有財産に応じて減額された借金を3年かけて返していく手続きをいいます。
自己破産は、借金の返済能力がないことを裁判所に認めてもらうことで、借金の支払い義務が法的に免除されます。

任意整理と民事再生(個人再生)は、将来にわたっての借金返済が前提の手続きです。
自己破産以外の債務整理の手続きは、返済を目指すことになるので、生活保護中に債務整理は妥当ではないという判断がされるリスクを拭い切れません。
一方で、自己破産は財産の処分が必要になりますが、債務の免責が認められるので生活保護中での借金返済という問題そのものが発生しなくなります。
要するに、生活保護中の債務整理は自己破産を選択することがもっとも理想的だということです。

生活保護中に債務整理を相談する方法と費用

債務整理を検討する場合どこに相談すればいいのでしょうか。
ここでは、生活保護受給中に債務整理について相談する方法と、それに必要な費用について説明していきます。

一般的な法律事務所

債務整理についての相談は、法律事務所に向かい弁護士に相談する方法、または司法書士に相談する方法があります。
弁護士は債務整理の相談だけではなく、債務整理をするうえでこれから必要となる貸金業者との交渉や訴訟など、さまざまな局面で代理人として活動してくれる存在です。
司法書士は本来は不動産登記や会社登記を行う立場だということもあり、個別の債権額が140万円以下の案件じゃないと、債務整理や相談などには対応できないという制約があります。

債務整理に必要となる費用ですが、任意整理の場合、相場は債権者あたり約2~3万円、減額報酬が10~20%となっています。
民事再生の場合は、まず着手金が約50万円、裁判所費用が20万円、自己破産の場合は、着手金が約30万円、裁判所費用は3~10万円が相場です。
また、弁護士よりも司法書士の方が安価で雇えるという話がまことしやかに囁かれていますが、実際のところは必ずしも正しいとはいえません。
基本的に費用の差は事務所間によるもので、弁護士と司法書士との差異ではないからです。

法テラス

法テラスは正式には「日本司法支援センター」という名称の法的トラブルの無料相談が可能な総合案内所です。
当然、法テラスでも債務整理についての無料相談ができます。
法テラスで相談を受け付けているのは法テラスと契約をしている弁護士や司法書士です。
一回の相談時間は30分程度で、1つの問題につき3回まで相談を受けることができます。
ただし、誰でも無料で相談が受けられるわけではなく、相談を受けるためには条件を2つ満たす必要があります。
1つ目は「収入等が一定額以下であること」、2つ目は「民事法律扶助の趣旨に適すること」です。
これには生活保護も含まれるので安心してください。

法テラスを利用した場合の費用は、自己破産申立、書類作成費用の合計で25万円程度で、先に紹介した一般的な法律事務所に比べると非常に安価です。
さらに、無料相談を受けるうえで必要となった2つの条件に加えて、「自己破産の免責見込みがある」という3つ目の条件も満たせば費用の立替を依頼できます。

債務整理をして生活保護を受給したい場合の注意点

ここでは、実際に債務整理を依頼し、手続きをして生活保護を受ける場合に気をつけておくべきポイントを紹介していきます。

生活保護の条件を把握しておく必要がある

まず、生活保護を受給するための条件には、過去に債務整理をしていたかどうかは影響しません。
ただし、生活保護受給の条件には、「世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提」というものがあります。
つまり、受給するためには預貯金があれば預貯金を、生活に不必要な土地や家屋などがあれば売却して生活費にあてないといけませんし、働くことが可能であれば働かないといけません。
さらに、生活保護以外のもので給付が受けられるのであればそれを活用し、援助を受けられる親族などがいれば援助を受ける必要があります。

これらのことを全て実践したうえで収入が最低生活費に満たない場合、生活保護を受けることができるのです。
また、保護の種類と内容に「生活を営む上で生じる費用」というものがあります。
これには食費、服の費用、光熱費などといった日常生活に必要な費用、アパートなどの家賃、義務教育のための学用品費用、医療の費用など全部で8つの種類のものが含まれています。
注意すべき点はこれらの中に「借金の返済」などは挙げられていないことでしょう。
生活保護を受給するにあたって、受給条件はきちんと把握しておくことをおすすめします。

自己破産をすすめられる可能性がある

借金をしていても生活保護を受けることは可能ですが、申請の際に自己破産を進められる可能性は否定できません。
まず、生活保護の申請にあたって、現在の資産、借金の状況や現在の家計の状況を福祉事務局に申告する必要があります。
福祉事務局には生活保護の受給中に何らかの収入が入った際にも申告が必要なので覚えておきましょう。
また、生活保護の申請の際、申請窓口で借金があることから債務整理を検討していることを担当者に伝えると、自己破産を勧められる可能性が少なからずあります。

債務整理を検討しているものの、何とか借金を返済したい場合は、生活保護の申請と同じタイミングで弁護士や司法書士に任意整理や民事再生といった方法での債務整理を依頼することがベターです。
弁護士や司法書士から自己破産以外の方法での借金返済を希望していることを伝えてもらえれば、担当者から自己破産を勧められる可能性は大きく低下します。

ただし、自己破産以外の債務整理は、生活保護費を借金の返済にあてられない以上、あまり現実的な選択肢だとはいえないでしょう。
自己破産と聞くとあまりいいイメージは抱けませんが、決してデメリットばかりではありません。
自己破産をすると財産が処分されてしまいますが、その代わりに借金の返済義務から解放されます。
さらに、持ち家や車を持っている状態で生活保護の申請が通った場合は、自己破産をしてもこれらが残る可能性があります。
生活保護を受けるのであれば、借金が免責される自己破産を選択したほうがメリットは大きいといえます。

生活保護を受けつつ債務整理をする際には受給ルールに注意
生活保護を受けつつ債務整理をする場合、自分にはどの債務整理が1番あっているのか、よく考えたうえで行動しましょう。
いざ、債務整理を実行するにいたっては、債務にも受給ルールにも気をつける必要があり、知っておくべきことは非常に多いといえます。
もしも、どうするか悩んでいて決心がつかなければ、弁護士や法テラスなどの専門家に相談してみることをおすすめします。

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