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債務整理で借金はどのくらい借金に?総合的な判断が重要な理由

借金の返済が苦しい場合、債務整理をして月々の返済を軽減する方法があります。
しかし、債務整理を行った場合、生じるのはメリットだけではありません。
減額幅だけで債務整理を決めた場合、予想しないデメリットが生じることもあります。
そのため、手続きの選択は総合的な視点を持って行わなくてはいけません。
この記事では、債務整理の減額幅、各種手続きにどのようなタイプが向いている人などを解説します。


減額幅だけで債務整理を判断してはいけない

債務整理とは、借金を減額・ゼロにすることが可能な手続きです。
しかし、借金額を減らせば減らすほど、メリットと同じくらいのデメリットも生じます。
債務整理のなかで、もっとも借金の減額幅が大きい手続きは、借金をゼロにできる「自己破産」です。
しかし、借金を抱えている人は誰でも自己破産の申請ができるわけではなく、この手続きが行える条件を満たさなくてはいけません。
自己破産とほかの債務整理との違いは、自己破産の場合、会社経営などで膨大な借金を抱えて、返済ができなくなったという状態まで追い込まれたときに可能な手続きということです。

つまり、裁判所で「この人物は返済能力が完全に欠如している」と、法律に照らし合わせて判断された場合のみ、自己破産の申請が行えます。
また、自己破産は借金がゼロになる代わりにデメリットもあり、それが財産の差し押さえです。
住むところさえ失ってしまうというデメリットが発生します。
また、減額幅が大きい債務整理を行うと、債務整理を申し立てた人の債務が免責になっても、保証人の債務は残ります。
そのため、債権者は保証人に請求を行うので、保証人に多大な迷惑をかけることになるのです。

一方、借金の減額幅がそれほど大きくなく、計画的に返済が可能な場合は、保証人にはそれほど負担はかかりません。
財産の没収もなく、通常とそれほど変わらない生活を送ることができます。
債務整理を実施する際は、発生するデメリットについても考慮しながら、自身にどのような債務整理が向いているか考えることが大切です。

減額の度合いは債務整理の種類によって異なる

債務整理において、返済額は選んだ手続きによって減額の度合いが異なるのが特徴です。
自身にふさわしい手続きを間違わずに選ぶには、3種類ある手続きの特徴と減額の対象をしっかりと把握することが重要といえるでしょう。
次より、3つの債務整理の特徴を、それぞれ説明します。

任意整理は遅延損害金や利息などを減額

任意整理は、過去の返済において必要以上に支払った利息である過払い金や遅延損害金などを対象とした手続きです。
債権者にあたる消費者金融会社などと債務者との二者間、あるいは、弁護士や司法書士が債務者の代理人として債権者と交渉を行うという流れになります。
両者の交渉によって新たに支払い期間を設定して、債務者にとって無理のない返済を実現させるのが、この手続きの目標です。
この手続きの特徴は、他の債務整理の手続きと異なり、裁判所への申し立てが不要という点です。
あくまで、債務者の私的な交渉のため、他の債務整理の手続きに比べると短期間で交渉成立を実現させることができます。

過払い金がいくら発生しているかを知るためには、利息制限法という金融に関する法律に基づいて、金利の引き直し計算を行わなくてはいけません。
この計算によって具体的な過払い金がわかったら、現在債務者が抱えている借金と過払い金を相殺して、借金を減額できるように債権者と交渉します。
債務者と債権者、二者の意見が合致して合意になれば、交渉は成立して返済額は軽減されるのです。
また、任意整理は、借金を滞納した際にペナルティとして発生する遅延損害金や、将来支払う予定になっている利息も、減額交渉の対象です。
任意整理は、過払い金の返還・将来の利息などの減額が目的なので、借金の元金を減らすためではありません。

そして、任意整理は、完済を目的とした手続きなので、無収入や収入が不安定な人は利用できないことがほとんどです。
また、裁判所を介さない債務整理なので、債権者が交渉に応じてくれないケースもあります。
その際は、自身で交渉を行うのではなく、弁護士や司法書士などの法律の専門家に代理をお願いすることが無難です。
交渉によってどのくらいの減額になるかは弁護士・司法書士の腕にかかっているともいえるでしょう。

個人再生なら元金そのものを減らせる

任意整理と違って、借金の元金そのものを減らすことが可能な債務整理が個人再生です。
個人再生とは、裁判所へ申し立てを行い借金そのものを大幅に減額して、数年間で完済を目指す手続きを指します。
個人再生は、完済するまでに約3〜5年の期間を設定することが、ほとんどです。
裁判所を介しての債務整理のため法的な効力を持つ手続きであり、債権者の同意がなくても実行することが可能です。
個人再生の手続きを行えば、借金の元金を含めて約5分の1~10分の1の減額幅で減額できます。

この手続きのデメリットは、債務者が抱えているすべての債務が整理対象になることです。
債務者がマイカーローンを抱えている場合、マイカーローンも債務の扱いとなり、その結果、車を引き上げられてしまいます。
唯一の例外が住宅ローンで、債務の対象にならない特例によって自宅を没収されることはありません。
そして、個人再生を実施した場合、官報に掲載されます。
掲載情報には申立人の住所や氏名も含まれるので、家族や友人・知り合いに借金があって個人再生をしたと知られる可能性があることも、デメリットといえるでしょう。

また、個人再生を申し立てると債権者は減額分を保証人へ請求します。
そのため、保証人に迷惑がかかることもデメリットといえます。
個人再生の手続きを行うには、いくつかの条件があります。
債務者が借金5000万円以上の債務を抱えている場合、個人再生の手続きをすることはできません。
この場合は、自己破産の対象となります。
また、任意整理と同様に完済を目的とした手続きなので、無収入・収入が不安定な人は個人再生の対象外です。

借金そのものをゼロにできる自己破産

先述したふたつの債務整理の手続きは、あくまで債務者が完済することを目的とした手続きです。
これらに対して、借金をゼロにすることが可能で完済する必要がない債務整理なのが、自己破産です。
自己破産は、裁判所に自己破産手続きができることを認めてもらうことによって、借金をゼロにすることができます。
裁判所を介するために、個人再生と同じく法的な効力があるのが特徴です。
借金がゼロになるため、他の債務整理を受ける条件である「無職・不安定な収入」であっても、自己破産を受けることがきます。
個人再生と違い、借金の対象額に制限はないため、会社の倒産などで膨大な借金を抱えていてもゼロにすることが可能です。

ただし、税金や養育費などは免責対象にはなりません。
デメリットは、個人再生と同様に官報に掲載されて個人情報が掲載されることです。
また、債権者は、債務者が免除された借金を保証人に請求するため、保証人の立場の人には迷惑がかかります。
そして、自己破産の最大のデメリットは財産の差し押さえです。
所有している預貯金・20万円以上の所有物などはすべて没収の対象となります。
住宅や車など高額の財産はすべて差し押さえとなり、住むところさえも失ってしまうのです。
また、免責決定を受けるまで、警備員や士業など一部の職業に就くことへの制限が課せられるのも、自己破産のデメリットです。

それぞれの手続きに向いている人

債務整理の3つの手続きは、それぞれ特徴やメリット・デメリット、具体的な減額の対象が異なります。
そのため、債務整理を検討している人は、自身が置かれている状況および手続きの特徴を理解して、どの手続きに申し立てをするべきか、考慮することが大事です。
次より、どのようなタイプの人が、どの手続きに向いているのかを説明します。

任意整理に向いている人

任意整理に向いている人は、借金額が少なく返済能力があることに加えて、大幅な減額を希望しない人です。
大幅な減額を希望した場合、債権者の同意を得るのが難しく交渉決裂するか、あるいは、返済計画が立てられない可能性があるからです。
そして、借金をしていることを知られたくない人も、任意整理に向いているといえるでしょう。
この手続きは私的な交渉に分類されるので、官報に掲載されることがなく、家族や会社の人間に借金をしたと知られる心配はありません。

また、同じ債務整理でも個人再生の場合、家族も含めて家計の収支を証明する資料を提出しなくてはいけません。
しかし、任意整理ではそのような資料は必要ないため、家族に知られる可能性は低いといえます。
そして、任意整理では、整理対象の債務を選択することが可能です。
車を手放したくない人はマイカーローンを、保証人に迷惑をかけたくない場合は、保証人となっている債務を残すことができます。
そのため、特定の債務を残したい人は、任意整理に向いているといえるでしょう。

個人再生に向いている人

借金額が大きいながらも返済能力がある人は、個人再生に向いている人です。
個人再生による減額幅は大きいので、借金額が大きくても、返済能力さえ備わっていれば手続きをすることによって、完済の計画がなんとか立てられる可能性があります。
そして、できるだけこれまで通りの生活を維持したい人は、個人再生向きです。
自己破産は持ち家や車といった財産が差し押さえとなりますが、個人再生はその心配はありません。

また、職業に制限がかかることもなく、士業などに就いている人も仕事を継続できるので、そのような職種の人は個人再生に向いています。
借金を滞納して、財産や給与などを差し押さえられている人も、個人再生が向いているといえるでしょう。
借金を滞納している場合、債権者が起こした訴訟によって財産や給与が差し押さえられることがあります。
しかし、個人再生の手続きをすると、差し押さえの手続きが中断されて、さらに、手続き終了後は差し押さえられた給与などの受け取りが可能になるのです。

自己破産に向いている人

自己破産に向いている人は、会社経営をしていた人が倒産などによって膨大な借金を抱えてしまい、なおかつ、仕事を失ってしまった人などです。
膨大な借金がありながら返済能力がない人は、任意整理や個人再生の手続きを行っても、借金を完済できる保証がありません。
そのため、自己破産の手続きを行って借金をゼロにするのが最良の選択といえるでしょう。
そして、生活保護を受給している場合、生活保護費は最低限の生活を補償するものなので、借金返済にあてると保護費を止められる可能性があります。
そのため、生活保護の受給者も自己破産が適しているといえるでしょう。

また、財産をほとんど所有していない人も、自己破産の手続きがふさわしい人です。
自己破産の手続きを行うと借金がゼロになる反面、持っている財産を没収されます。
しかし、財産さえ所有していない人は、財産差し押さえという自己破産のデメリットすらデメリットになりにくいのです。
また、20万円以下の財産であれば没収の対象外なので、自己破産の手続きをしても最低限の生活必需品を手放すことはありません。

無理なく債務整理を行うには専門家への依頼が不可欠

債務整理は、法律が関わることなのでいまいちわかりにくいと思っている人もいることでしょう。
債務整理を検討しているが、債務整理の手続きなどに関することは把握できていないという場合、弁護士や司法書士に相談するのがいいでしょう。
法律の専門家である弁護士・司法書士に相談をすれば、自分でも理解していない事項も含めて状況を整理することが可能です。
また、どの手続きを選べばいいのか迷った場合でも、それぞれの手続きのメリット・デメリットなど、説明やアドバイスを受けることができます。

また、専門家に依頼する際のメリットは、弁護士・司法書士を代理人に立てて債務整理を開始した場合、その時点で取り立てが一時的にストップすることです。
債権者との交渉も弁護士・司法書士が代理として窓口になるため、精神的な負担が軽減されます。
また、債務整理に関する手続きをすべて代行してくれるので、一連の手続きをスムーズに行うことが可能です。

自身に合った債務整理を選んで借金を減額しよう

債務整理のデメリットを理解すれば、自分に合った手続きをスムーズに選ぶことができるといえます。
債務整理のなかで、任意整理・個人再生の手続きはどのようなタイプの人でも対応できるケースがあるため、減額幅だけに注目するのではなく、自身にとってデメリットの少ないものを選ぶことが大事です。
債務整理を検討している人は、弁護士や司法書士にも相談して自身に適した手続きを選びましょう。

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