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任意整理後なのに?クレジットカード利用額の引き落としの罠

2020年8月26日 公開 更新

クレジットカードは現代人の生活必需品です。
それだけに任意整理後に口座引き落としがどうなってしまうのか、そもそも全く使えなくなってしまうのかは気になるところ。
ここでは、任意整理後のクレジットカードの口座引き落としや利用について詳しく解説していきます。
突然使えなくなって困らないように、しっかり確認していきましょう。


司法書士法人相澤法務事務所は2009年東京都板橋区にて開業2019年で10周年を迎える。
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司法書士法人相澤法務事務所

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代表司法書士 相澤 剛

クレジットカードでショッピングをしすぎた場合でも任意整理は可能

クレジットカードでショッピングをしすぎた場合でも任意整理は可能

任意整理とは債務整理の手続き方法の一つで、債権者との交渉によって将来利息や支払期間について取り決めを行うことになります。
ではこの任意整理は、クレジットカードに対しても行うことができるのでしょうか。
「キャッシング枠は借金だからできそうだけど、ショッピング枠はどういう扱いなのかよく分からない」という人も多いのではないでしょうか。

実は、クレジットカードの任意整理は、キャッシング枠だけではなくショッピング枠に対しても行うことができます。
ショッピング枠は借金ではなく「立替金」という扱いになります。
商品を購入すると、クレジットカード会社がまずその代金を支払い、利用者はクレジットカード会社にお金を支払っていくという仕組みになっています。
つまり立替金は、利用者がクレジットカード会社に対して負っている債務。
そのため債務整理の対象にすることができるのです。

クレジットカードの任意整理後に起こること

クレジットカードの任意整理後に起こること

では、クレジットカードに対して任意整理を行うと、具体的にどのようなことが起こるのでしょうか。
以下で詳しく解説します。

支払いや返済の取り立てが止まる

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と交渉する手続きです。
法律の知識が十分にないと交渉を進めることは難しいので、一般的には弁護士や司法書士といった法律の専門家委に依頼し、交渉を進めてもらうことになります。
こうした弁護士や司法書士に依頼すると、まず支払いや返済に関する取り立てがストップすることになります。
これは弁護士や司法書士が、債権者に対して「受任通知書」を送ることで起こります。
受任通知書とは「これからは弁護士(司法書士)が、本人の代理人となって債務整理をすすめていきます」と債権者に対して知らせるためのものです。

受任通知書を受け取った債権者は、債務者本人に対して直接取り立てを行うことができなくなります。
これは単なる事実上の効力ではなく、貸金業法などの法律によって定められた法的なものです。
その後は弁護士や司法書士が本人に代わって債権者と交渉を行い、和解案を提案、締結することになります。
債務者本人は決まった和解案に沿って返済を行っていく流れです。

クレジットカードの口座引き落としが止まる

弁護士や司法書士が債権者に対して受任通知書を送ると、口座の引き落としも止まります。
これは和解案が成立するまで行われないため、生活立て直しの一歩を踏み出すことができます。
和解案が成立した後は、そこで決められた金額が再度引き落とされるようになります。

手続き直後は引き落としが止まらない場合もある

ただし、弁護士や司法書士に手続きを依頼したのに、口座引き落としが止まらないというケースも存在します。
というのも手続き開始の通知を送っても、銀行の対応が間に合わないことが多いからです。
こうした事態を回避するためには、引き落とし口座をゼロにしてしまうという方法があります。
専門家に依頼したら、できるなら口座からお金を全て引き出してしまいましょう。
こうしておけば、引き落とされる心配はありません。
とはいえ、専門家への依頼後継続した引き落とし金額については、借金総額から控除されるため、そのまま戻ってこないということはまずありません。
ただ手続きに数ヶ月かかってしまうケースがあることを考えると、早めに依頼した専門家に相談するのがいいでしょう。

ショッピングローンで購入した商品が引き揚げられる可能性も

ショッピング枠に対して任意整理を行った場合、購入した商品を引き上げられてしまうことがあります。
クレジットカード会社の多くは、カード利用によって購入した商品は、立替金完済までクレジットカード会社のものであると約款で定めています。
標品の持ち主はカード会社なのだから、立替金が払えないのなら返してもらう、ということです。
ただしこれは全ての商品に対して行われる訳ではありません。
自動車のように換価価値の高いものは必ず引き上げられますが、それ以外の日用品が引き上げられることはあまりありません。
引き上げにもコストがかかる上、日用品は既に消費してしまっていることも多いからです。
自動車以外では、ブランド品や家電などもよく引き上げの対象になります。

どうしても商品を引き上げられたくないというときは、その商品を購入するときに使ったクレジットカード会社を任意整理の対象から外すといいでしょう。
任意整理は対象とする債務を自分で選ぶことができるので、こうした方法を取ることが可能になるのです。
ただしキャッシング枠を任意整理の対象にしつつ、ショッピング枠だけ対象から外すということはできないので注意しましょう。
任意整理は会社単位で行われるため、キャッシング枠とショッピング枠を分けることはできないのです。

任意整理の対象外のクレジットカードの引き落としはどうなる?

クレジットカードを複数種類持っている人も多いでしょう。
では、任意整理を行ったクレジットカード以外のカードは、どういった扱いになるのでしょうか。
基本的に、任意整理を行うと手持ちのクレジットカードは全て使えなくなると考えておいた方がいいです。
とはいえ、即時使用停止になる訳ではありません。
優待目的で作った未使用のカードや債務残高がほとんどないカードであれば、任意整理後も利用し続けることができる場合があります。
ただしこれもずっとではありません。
ではなぜ、任意整理と関係ないクレジットカードまで止まってしまうのでしょうか。

クレジットカード会社は新規作成するときだけではなく、その後も定期的に信用情報機関に対して、利用者の情報を照会しています。
その人の最新の情報を確認する必要があるからです。
1社のクレジットカードに対して任意整理を行いその情報が信用情報に記載されると、他のカード会社もその情報を目にすることになります。
その結果、任意整理とは関係ないクレジットカードであっても、ストップしてしまったり更新できなくなるのです。

公共料金などの支払方法を変更しておこう

公共料金などの支払方法を変更しておこう

公共料金の支払いなどにクレジットカードを利用しているときは、任意整理に際してどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

任意整理後に支払方法を変更したい場合

整理対象のクレジットカードはもちろん、対象から外したカードもいずれは使えなくなってしまいます。
そのため、公共料金支払いをクレジットカード払いにしているのなら、債務整理を始めて三ヶ月以内には支払方法の変更を行う必要があります。
クレジットカード払いにしたままカードが止まってしまうと、ライフラインが止まって大変なことになってしまいます。
また、公共料金の支払い切り替えは一ヶ月以上かかることもあるので、できるだけ早く済ませておく必要があります。

ポイントが付くので、公共料金支払いをクレジットカード払いにしているという人も多いでしょう。
少しでもお得に払っていきたいなら、「銀行口座振替」を利用するのがおすすめです。
公共料金支払いには自動引き落としの「銀行口座振替」と、金融機関の窓口やコンビニで納付書を使って支払う「納付書払い」があります。
銀行口座振替には「口座振替割引」が適用されるため、少しお得になるのです。
毎月窓口に行く必要もなく、払い忘れを防ぐこともできます。

銀行口座の凍結に注意

銀行系のクレジットカードを任意整理の対象にすると、その銀行で利用している口座が凍結されてしまいます。
その結果銀行口座振替ができなくなってしまうのです。
口座が凍結されるとお金を出し入れすることができなくなるため、任意整理を開始する前にお金を全て引き出し、借り入れをしていない他の銀行口座に移しておきましょう。
公共料金支払いを設定している場合は、コンビニ払いや他行の口座振替に変更を。
更に給与振り込みなどの口座に指定している場合は、振込先変更の手続きも忘れずに行わなければなりません。
うっかりしているとその月の生活費が引き出せなくなってしまいます。
凍結はだいたい1~2ヵ月以内に行われるので、早め早めに動くことが大切です。

債務整理後にクレジットカードを使う方法

債務整理後にクレジットカードを使う方法

クレジットカードがないと何かと不便な現代社会。
債務整理の後でもクレジットカード使用を諦める必要はありません。
具体的な方法を解説していきます。

家族カードを使う

まずは家族カードを利用するという方法。
家族カードとはクレジットカードの所有者である本会員の家族が利用できるクレジットカードのことです。
債務整理を行うことで信用情報に事故情報が掲載されても、それはあくまで個人に関するものです。
例えば夫が任意整理を行ったとしても、妻のクレジットカードまでストップしてしまうことはないのです。
家族カードは本会員の信用に基づいて発行されるため、債務整理をした後であっても家族カードなら使用することができるのです。

5年ほど待つ

一度信用情報に傷が付くと一生そのまま、ということはありません。
一定期間が経過すると事故情報は抹消され、またクレジットカードを作ることが可能になります。
利用停止期間は債務整理の種類によって異なり、任意整理の場合は5年、自己破産や個人再生の場合は10年かかると言われています。
ただしこれはあくまで一般的な話であって、実際に審査に通るまでの期間は個人差があることを覚えておきましょう。

デビットカードを使う

デビットカードを利用するというのも一つの方法です。
デビットカードは銀行口座に残高がなければ利用できませんが、審査がないので債務整理後であっても作ることが可能です。
またデビットカードであれば、支払い能力を超える買い物をしてしまうという心配もないので、そういった意味でも安心です。

任意整理前はクレジットカード利用額の引き落としに気をつけよう

任意整理前はクレジットカード利用額の引き落としに気をつけよう

任意整理の手続きを始めると、口座引き落としは和解成立までストップすることになります。
ただし停止するまでにタイムラグが生じることもあるので、事前に口座残高をゼロにしておくなど対策をしておきましょう。
また任意整理後は、基本的にクレジットカードは使えなくなると考え、公共料金の支払い方法を変更することも必要です。

どれくらい戻ってくるのか?