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債務整理はどれを選ぶ?「特徴」「相性」「費用」を徹底比較!

「もう無理、借金返せない・・・」
そんな借金苦にあえぐ人たちを救済するためにある債務整理。
これにはいくつか種類があり、どれを選ぶかで生活再建がはやまるか、それとも遠のくかが分かれます。
どれが適切かを判断するのは、弁護士・司法書士の務め。
ただし利用者のほうでもそれぞれの違いを理解しておくことが大切です。
こちらでは債務整理の概要をお伝えするとともに、「任意整理」「民事再生」「自己破産」をさまざまな切り口から徹底比較。
「任意整理はそんな計算式で判断できるの?」
「家がある・ないで民事再生の費用はそんなに違う?」

など、気になる情報満載でお届けしますので、債務整理を検討されている方はぜひお役立てください。

そもそも債務整理とは?

債務整理とは、通常の支払い方法では借金返済のメドが立たない人を対象に、債務額を縮小または免除する制度です。
債務整理の目的は、多重債務者の救済と生活再建にあります。
したがって制度に頼らずとも返済ができる人は対象外です。
債務整理には、「任意整理」「特定調停」「民事再生(個人再生)」「自己破産」の4種類があり、なかでもスタンダードは特定調停を除く3種類。
そのためこちらでは「任意整理」「民事再生」「自己破産」を重点的に解説していきます。

債務整理の大まかな流れ

債務整理しようと思ったら、まずは弁護士・司法書士への相談からはじまります。
相談を受け受任した専門家は、「業者と債務者の間に入ったことを知らせる「受任通知」を貸金業者に送付します。
受任通知を受けた業者は、その時点で債務者に対する一切の取り立て行為をストップしなければなりません(貸金業法21条)。
請求ストップの措置により、依頼者は一時的にも安定した生活を取り戻せます。
この間に、依頼者は整理手続きのための準備を進めることになるのです。
具体的には、収入証明書や取引の明細書、預金通帳のコピー、借入時の契約書などの書類集めがメインです。
専門家は、それらの書類とデータをもとに本人の資力や債務状況、支払い能力をみて任意整理がよいか、それとも民事再生・自己破産がよいのかを判断します。
実務手続きに関しては、専門家がすべて引き受けてくれますので、依頼者は手続き完了の知らせが来るまで待っているだけとなります。
なお、債務整理を選ぶとどんな方法でもブラックリスト登録は免れません。

代理できるのは弁護士・司法書士

債務整理の手続き代理ができるのは、弁護士・司法書士のみ
弁護士は債務整理のすべての方法を取り扱えるのに対し、司法書士は債務額140万円以下の任意整理と、民事再生・自己破産に関しては書類作成のサポートみです。

債務整理はどうしても専門家に頼まないとダメ?

債務整理の手続きを自分でしようと思っても、書類集めや作成などの準備負担は大きく、生活再建も遠のくためおすすめできません
また、弁護士・司法書士の仲介がなければ、業者からの取り立ては収まることもなく、取り立ての電話におびえながら手続きの準備を進めることになるでしょう。
これらのデメリットを考えると、債務整理は専門家に一任するのがベストです。
忘れてはならないのが、債務整理の目的は「生活再建」であること。
充分な知識もないまま整理方法を選ぼうとすれば、「借金は一円も残したくないから破産にしよう」「財産は手放したくないから任意整理にしよう」など、つい主観で決めてしまいがちです。
生活再建に近づくためには、法的知識と客観的データをもとに専門家が最適の方法を選び、正しい方向へと導く必要があるのです

債務を減らす方法3つ

債務額をどれくらい減らせるかは、整理の方法で異なります。

任意整理

任意整理は、裁判所を通さずに弁護士(司法書士)が貸金業者と交渉にあたり、利息を最大全額カットしてもらう方法です。
利息は遅延損害金も含めてカットされます。
なお減額されるのは利息のみで元金は減りません
整理後は、残債を3~5年のスパンで返済することになります。
この整理はあくまで任意であり、法律で決まっているわけではありません。
交渉とはいっても、弁護士(司法書士)が業者にお願いして利息を免除してもらうという話です。
利息全額免除となるケースが一般的ですが、それも業者次第で、「半額のみ」「90%まで」など条件付きでなければ協力してくれないところもあります。

民事再生

裁判所が介入する債務整理で、>利息を含む債務額が最大8割まで免除手続きした後も最低100万円の債務は残ることになります。
返済期間の目安は3~5年です。

自己破産

裁判所が介入する整理手続きで、裁判所から免責決定の判断が下されればすべての借金を帳消しにできます
免除対象となるのは、業者に対する債務から友人・会社相手に作った借金まですべてです。
ただし、税金の未納や刑事罰で受けた罰金、損害賠償金などは免除の対象となりません。
すべての債務が免除される一方で、家・車などの財産を処分する必要があり、生活に与える影響は小さくないでしょう。

徹底比較1「それぞれの特徴」

それぞれの方法ならではの特徴を比較してみます。

任意整理 民事再生 自己破産
裁判所を通さないため、手続き期間が比較的短い 自宅などの財産を手放す必要がない すべての借金から解放される
整理したい業者を選べる 資格や職業の制限はない 手続き期間中は職業・資格の制限がある
家族や会社にバレにくい 債務を大幅に減額できる 財産処分が条件
減らせるのは利息のみ 裁判では債権者の意見も反映される ブラックリストに長く残りやすい
あくまで任意    

任意整理は選択可能、再生・破産はすべての借金が対象

業者との交渉で利息をカットしてもらう任意整理では、対象業者を自由に選べます
一方、民事再生と自己破産はすべての債務をまとめて整理しますので、特定の業者のみ整理対象に選ぶことはできません。

再生・破産はバレる?

家族や友人、会社の同僚に債務整理を内緒にしたい場合、任意整理であればバレる確率は低くなります。
友人や会社に借金していても、それらは除外して特定の業者のみ整理対象に選べば済むからです。
民事再生と自己破産の場合、身近な人への借金も対象に含まれるため、内緒にしたくてもおのずと判明してしまいます。
また、民事再生・自己破産では世帯収入なども厳密にチェックしなければなりません。
手続きも大がかりなものになるため、家族に知られる可能性は高いと考えてよいでしょう。

制限が入る職業・資格

自己破産の手続きに入ると、一部の資格に制限が入り、仕事できなくなる状況も考えられます。
制限対象となる職業・資格は法律で決まっており、たとえば銀行員、保険外交員、警備員、貸金業者、行政書士、司法書士、弁護士などが対象。
公的な資格やお金を取り扱う仕事は、一定期間たずさわることができなくなります
制限期間は、裁判所に破産手続きを申し立てたときから破産決定が下されるまでの半年~1年程度です。

任意整理は気軽だから繰り返しやすい?

3つの方法を比較すると、任意整理が一番気軽に実行しやすいように思われます。
再生・破産よりは影響が少なく、手続きもスムーズに完了しやすいことから、任意整理を希望される依頼者も少なくありません。
しかし、軽い気持ちで整理したばかりにその深刻さに気づかず、また繰り返してしまう人も少なからずいるのです。
そうなると生活再建は遠のくばかりです。
メリットが多いようにみえる任意整理でも、「繰り返しやすい」「結局は破産する」などの落とし穴も潜んでいることに十分注意する必要があります。

徹底比較2「依頼者との相性」

「この債務状況であれば任意整理で十分だろう」
「これまでの返済の仕方をみたら、破産しかない」
など、債務整理の方法を選ぶ際は依頼者との「相性」をみることも大切です。
それぞれどんなタイプがふさわしいか整理方法別にみてみましょう。

任意整理 民事再生 自己破産
個人の収入で返済できる人 100万円を3~5年で返済するだけの収入がある人 借りて返すみたいな自転車操業状態の人
収入の柱を持っている人 職業上、自己破産できない人 反省の意を示している人

返済可能の目安となる指標

返済可能かどうかは、以下の公式ではじき出された額を目安に考えます。

上記の計算方式は、あくまで判断の目安を付けるためにあるものです。
債務額の3分の1程度の額が安定して手元に残る状況であれば、任意整理がまず検討されるでしょう。
反対に、3分の1以下であれば、民事再生もしくは自己破産が選択肢として浮上します。

返済状況も判断の目安

債務者がどのような方法でお金を工面しているかも、債務整理の方法を決めるポイントです。
もっとも分かりやすいのが自転車操業で、つまり「借りたお金で返す」状態
こんな状況では、いくら給料があっても完済のメドは立ちません。
自転車操業でお金を借りる・返すを繰り返している人は、自己破産が妥当かと思われます。

書類集めや反省文など、最後まで責任もってできるか

手続きに関する実務は専門家任せで大丈夫ですが、各種の書類集めは自身で対応しなければなりません。
とくに自己破産は膨大な書類が必要で、なおかつ反省文を書くという作業も待っています。
反省文を書く際は、専門家からのアドバイスに真摯に耳を傾ける姿勢が大切。
自己破産を選ぶからには、これら面倒と思える作業をいとわず、最後まで責任もってやり遂げなければなりません。
まれにですが、途中で放棄して音信不通となり、裁判に姿を見せない人もいます。
裁判を欠席すれば、当然免責の裁可は下りません。
これらの注意は依頼先の弁護士・司法書士からレクチャーされるはずなので、しっかり守るようにしてください。

徹底比較3「報酬相場」

債務整理では、弁護士・司法書士事務所への報酬も発生します。
報酬額は、任意整理・民事再生・自己破産でそれぞれ異なります。
民事再生・自己破産は手続きに時間と手間がかかるため、どうしても高額となる傾向。
費用の相場はおおむね次のとおりです。

任意整理 民事再生 自己破産
基本報酬1社あたり2~5万円 30~50万円 30~50万円

任意整理は安いようにみえるが・・・

任意整理の場合、相場2~5万円の基本報酬が1社あたり発生します。
たとえば取引業者が10社いて、そのすべてから利息をカットしてもらうとすれば、基本報酬だけで50万円とられることも
さらに、事務所によっては成功報酬や減額報酬を加えるところもあります。
基本報酬が高額なところや、成功報酬・減額報酬を加算するところは売上を重視する大手事務所ほどよくみられる傾向です。

任意整理すると代行手数料がかかる?

代行手数料とは、任意整理後の業者への返済金振込を、事務所が代行することで発生する手数料です。
1回の振込あたり1000円が相場で、30回払いだと3万円、60回払いだと6万円を支払うことになります。
業者への振込は自分で行うことができますし、わざわざ事務所に任せる必要はありません。
債務整理を依頼する場合は、代行手数料を請求する事務所かどうかしっかりチェックしてください。

民事再生は、住宅ローンありかなしかで異なる

家を手放さずに民事再生する場合は、住宅ローン特則を利用することになります。
この場合、弁護士事務所に支払う報酬が高くなる点に注意が必要です。
住宅ローン特則を利用する・しないでは、弁護士に支払う費用が10万円ほど変わります。
なお司法書士への依頼は書類作成のみですが、その分費用は割安となりますので、いずれがよいかよく検討してから選んでください。

生活再建のために有効活用を!(まとめ)

任意整理・民事再生・自己破産。
これらのうち、依頼者の資力・債務額・生活状況などをみて「これであれば生活再建に近づける」と専門家が判断した方法を選びます。
・職を失い、年齢的にも再就職は難しい・・・
→自己破産が妥当かもしれません。収入の柱がなければ返すメドもたたないからです。

・フリーター生活だが、実家生活なので家賃の支払いはない
→安定した収入があり借金の額もそれほど大きくなければ、とりあえず破産の心配はないでしょう。任意整理で完済できるかもしれません。

・借金総額は500万円。共働きなので100万円くらいだったら何とかなる・・・
→無理に破産することなく、民事再生で乗り切れるでしょう。

・無職だが、家族と一緒で世帯収入がある
→世帯収入をベースに5年以内で返済可能なら、民事再生の選択が妥当でしょう。

もっとも大きなポイントは、「返せるか返せないか」
専門家は、依頼者からの聞き取りと提出された書類から、その点をみて判断します。
どれが得でどれが楽かといった見方は基本、されないと思ってください。
判断のベースとなるのは、年収・債務額・返済状況・世帯収入などの客観的で動かしがたい事実です
このデータをもとに返済シミュレーションを立て、業者との交渉次第で返済可能なら任意整理、ある程度の債務額で返済可能なら民事再生、どんなにがんばっても破産しかない場合は自己破産という選択がとられ、提案されます。
依頼者側からすれば、「世間体もあるから破産じゃなく任意整理で」「仕事はしてるけど生活が苦しくなるから破産で」など、希望を通したい気持ちもあるかもしれません。
弁護士・司法書士はそのような要望も考慮しますが、あくまで客観的データをもとに判断します。
債務整理の制度趣旨が「借金苦によって生活が破綻しないよう困窮者の生活再建を促す」にあるため、場合によっては依頼者の希望にそぐわないかたちになることも踏まえてください。
また、債務整理は事務所選びも重要です。
費用の段で少し触れましたが、すべての弁護士・司法書士事務所が依頼者の生活再建を第一に主導してくれるとは限りません。
悪徳な事務所につかまると高額な費用を請求され、「一体何のための債務整理だったのか?」という事態にもなりかねません。
債務整理を検討する際は、事務所調べも念入りに行い、費用もサポートも安心できるところを選んでください。