メニュー

債務整理の手続きを比較!自己破産と個人再生はどちらがいいか

借金が多くて生活が苦しい状況の時、またお金を返しているのに一向に借金が減らない場合、収入を増やす以外の方法で解決したいと考える方が多いのではないでしょうか。
債務整理は法的に許可された正当な借金の減額や免除方法ですが、自己破産と個人再生ではどちらを選択すべきか迷いますよね。
この記事では、自己破産と個人再生をそれぞれ選んだ時の手続きの違いやどちらが最適な手段なのかを詳しく紹介します。


司法書士法人相澤法務事務所は2009年東京都板橋区にて開業2019年で10周年を迎える。
開業当初から「依頼者ファースト」を軸に少数精鋭スタッフにより事務所を運営。
現在ネット検索のみで全国各地から毎月100人以上の過払い金請求を受任する事務所へ成長。
事務所紹介はこちら
司法書士法人相澤法務事務所

司法書士法人相澤法務事務所
代表司法書士 相澤 剛

債務整理には3つの手続きがある

債務整理は、借金の減額や免除、支払に猶予を持たせることができる法的手続きのことを示します。
債務整理を行うときには任意整理・個人再生・自己破産の方法があり、借金の状況や持っている資産に応じた手続きが必要です。
ここでは、任意整理・個人再生・自己破産について詳しく説明します。

任意整理

任意整理は、借金の債権者である消費者金融と交渉することで、返済金額や方法を調整できる手続きです。
任意整理をすることで、利息を0パーセントにすることや、毎月の返済額を支払できる金額に下げることが可能になります。
この手続きを取ると、債権者からの請求や督促が止まり、利息制限法により再計算をすることで借金総額が減額されることも多いです。
しかし、借金の元金は変わらないため、3年〜5年をかけて借金を返済することになります。
返済する希望があり、5年程度借金の返済を続けられる収入が確保できる方に最適な方法です。

個人再生

個人再生は、借金の減額が可能な債務整理方法です。
再生計画案を作成し、裁判所へ申し立てを行います。
任意整理と似ていますが、借金の元本が数分の1程度に減額されるという点が大きな違いです。
住宅ローンの支払いをしていて別の借金を抱えている方は、家以外の借金を減額し、住宅ローンは支払い続けることで家を資産として残すことができます。
裁判所に再生計画案が許可されれば、返済期間の3年〜5年は計画通りに返済しなければなりません。
財産を残したい方には最適な手続きですが、借金が5,000万円以上ある方は申立できないなどの条件があります。

自己破産

自己破産は、借金返済額をゼロにすることができる債務整理方法です。
債務整理の中で唯一借金を全額免除にすることができますが、家などの財産を手放す必要があります。
無職や生活保護受給中など、無収入でも手続き可能です。
財産を手放さなければならないため、持ち家がない方や、3年以内の完済が難しい場合に選ばれています。

自己破産・個人再生は裁判所を利用する

任意整理は、任意による債権者との交渉なので直接債権者と話し合いを行って、返済方法の調整を行います。
弁護士や司法書士に任意整理を依頼する場合でも、裁判所は介さずに交渉が行われるのが任意整理です。
一方、自己破産と個人再生は、手続きに裁判所の許可が必要になります。
自己破産も個人再生も、借金をしていて今後支払不能の状態に陥る恐れがある場合に申し立てを行うことで債務整理が可能です。

自己破産と個人再生の違い

自己破産と個人再生の方法では、裁判所を介して行われるため違いがわからないという方も多いです。
ここでは、自己破産と個人再生の手続きの違いや特徴について説明します。

免除される借金

自己破産をすると、消費者金融からの借金などの債務は基本的に全て免除されることになります。
その代わりとして所持していた財産を手放さなければなりません。
裁判所から借金の免除の決定が出ても、所得税や住民税などの税金や、国民健康保険料、保育園の保育料などは免除されず、支払を続ける必要があります。
税金などを滞納している場合には、分割払いとして納付するケースが多いです。

浪費やギャンブルなどで著しく財産を減少させた場合には、免責不許可事由となり借金の免除が認められないケースがあります。
ただ、実際の破産手続きにおいては、ギャンブルでかなりの借金を負ってしまっても、破産手続きへの協力があり、生活を一から立て直そうとする姿勢が見られると判断されれば裁量免責となることが多いです。

確実に免責が不許可になりそうな事案では、個人再生を選ぶとよいでしょう。
個人再生では、住宅ローンを除いた借金の金額に応じて最低弁済額が決まっていて、借金の総額を数分の1程度に圧縮することができます。
借金が100万未満の場合には、借金総額の全額を支払わなければなりません。
5分の1まで免除されるのは、借金総額が500万円以上、1,500万円以下の場合です。
借金が500万円以下の場合には、100万円は返済する必要があります。
1,500万円以上3,000万円以下の借金である場合には、最低弁済額は300万円です。
3,000万円以上5,000万円未満の場合には、10分の1までに減額されますが、5,000万円を超えると申し立てができません。
原則として減額された借金を3年間で分割返済する流れとなります。

財産の処分

自己破産をすると、借金が免除される代わりに所持している財産を破産管財人により処分されます。
しかし、全ての財産を処分されるわけではなく、自由財産と呼ばれる破産者が自由にできる財産が一部認められており、所持することが可能です。
自由財産には、衣料や家具など生活に必要な財産や99万円以下の現金などがあります。
規定された自由財産以外は、家や自動車、100万円以上の高価な品など、たとえ形見のようなものであっても価値あるものは全て処分することになります。

個人再生では、マイホームは財産として残すことが可能ですが、車のローンは、住宅と同じようにできず、自動車の引き上げが必要です。
ローンの支払いが終了している場合には、自動車を査定に出した時の価値が借金の返済額よりも低ければ保有し続けることができます。
他の高価な財産も借金額相当の財産は残しておくことができるため、手元に残す財産を選ぶことが可能です。
例えば月々10万円の返済を3年、総計360万円の返済を行うという再生計画書を提出した場合、360万円までの財産を残すことができます。

住宅ローンの残る自宅の取扱い

自己破産をすると、住宅ローンが残っている場合、破産管財人によって任意売却されることが一般的です。
希望価格で買手がつかなかった場合でも、債権者である住宅ローン会社が住宅を競売にかけて換価処分します。
自己破産をすると自宅をはじめ不動産財産を所有することは難しいのです。

個人再生では、住宅ローン特別条項を利用することで、住宅ローンが残る住宅に住み続けることができます。
本人所有のマイホームで、抵当権がついていて、住宅ローン以外の担保権がついていない場合には、この住宅ローン特別条項を利用することが可能です。

持っている公的な資格の制限

自己破産を申し立てると、資格の制限が課されるため、公的な資格を持っている方はその資格を失うことになります。
行政書士、警備員や生命保険の外交員、宅地宅建取引主任者などの仕事に就くことはできませんし、資格を取得することもできません。
その後、裁判所から免責の許可が得られれば、復権によりまたその仕事に就くことは可能です。

個人再生の場合では、資格の制限が課されません。
資格の制限に該当する公的な資格を持って仕事をしている方が個人再生の手続きを始めても、資格を使った仕事を継続することが可能です。

借金理由による利用制限

自己破産で借金をゼロにすることは可能ですが、借金の理由によっては利用制限がかかることがあります。
免責不許可になる理由は、破産法で定められていて、ギャンブルやFXなどの投資、贅沢な浪費などによって借金を増やしてしまった場合、免責とならないケースがあるのです。
財産を隠匿したりして債権者を害することやヤミ金業者から法令違反に当たる高金利な借金をして、破産手続きを遅らせた事実がある場合も不許可事由となります。

一方、個人再生には、免責不許可になってしまう事由はありません。
借金を負った理由がどんなものであれ、再生計画が許可されれば個人再生をすることが可能です。

手続きに要する期間

自己破産では、申し立てを弁護士に依頼してから免責が許可になるまで6ヶ月〜1年の時間が必要です。
自己破産の手続きには、手持ちの財産が20万円未満の状態で破産手続き費用を支払えないと判断される場合には、同時廃止という手続きをとります。
自己破産をする方の70パーセントは、同時廃止での手続きを行っており、約3ヶ月以内に免責が決定する流れです。
一方、不動産資産や20万円以上の財産を保有している場合には、管財事件として扱われます。
管財事件は、財産の調査や処分が必要になり、債権者への配当も必要なことから同時廃止よりも時間が必要です。
通常6ヶ月〜1年かかります。

個人再生は、その手続きに4ヶ月〜6ヶ月の時間が必要です。
手続きの開始までに1ヶ月、再生計画案の認可までに約5ヶ月ほどかかります。
裁判所の指示に従わないとさらに手続きが遅延することがあるので注意が必要です。

手続きに要する費用

自己破産を申し立てるのは、借金をゼロにするためですが、その手続きには費用がかかります。
費用としては、裁判所予納金など裁判所費用として50万円以上、弁護士費用として20万円〜40万円程度がかかってくる計算です。
同時廃止をした場合には、裁判所費用は1万円〜3万円程度で済みますが弁護士費用はかかります。

個人再生においても、裁判所に支払う申立て費用や個人再生委員に対する予納金など裁判所に30万円程度の支払いが必要です。
弁護士費用は30万円〜60万円ほどで、弁護士事務所や案件によって費用が異なります。

手続き後の制限

債務整理を行うと、様々な制限がかけられることになります。
自己破産では、個人信用情報機関に事故情報として情報が記載されるため、ブラックリストに載る状況が5年〜10年続きます。
ブラックリストに載っている間は、クレジットカードを作ることができません。
また10年間は住宅ローンや融資を受けることができなくなります。
宅建主任者や会社取締役などの仕事についている方は、破産申し立てから復権を得るまで仕事をする制限を受けてしまうのです。

個人再生でも、自己破産と同じく5年〜10年事故情報として登録されます。
クレジットカードの発行やキャッシングもできません。

保証人に対する影響

自己破産して残ってしまった借金は、保証人や連帯保証人が支払うことになります。
借金の連帯保証人になっている場合には、支払いを拒絶する抗弁権がありません。
そのため、保証人には多大な影響を与えることになるのです。
借金を免責になった本人に返済義務がなくても、保証人の債務はなくならず、免除された借金が一括で請求されるのです。

個人再生では、借金の返済義務が減額されますが、本人が返済する金額を引いた残りが保証人が支払う額になります。
個人再生では、債務者本人と保証人の両方の返済が完了することが必要です。

個人再生と自己破産はどちらがいい?

個人再生と自己破産のどちらかを選ぶべきかは、借金の状況や資産状況などを把握した上で判断することが重要です。
ここでは、個人再生と自己破産のどちらを選ぶ方がよいのかを説明します。

自己破産がおすすめな場合

自己破産がおすすめな場合は、借金が大きくなりすぎてしまい、現在の収入では返済不可能である時です。
自己破産をすれば、1,000万円以上の借金がある場合でも借金がゼロになります。
借金総額が多くて個人再生では対応できない場合や、家などの財産を所持しておらず返済が不可能な場合は、自己破産がおすすめです。

個人再生がおすすめな場合

マイホームを所持したまま、借金を返済できるのが個人再生です。
借金の元本を減額してもらえ、住宅ローンの支払いは続けることができます。
また残す財産を自由に選択することが可能です。
自己破産のようにマイホームを手放すことはしたくない方で、借金の減額で返済ができそうな場合には個人再生を選ぶとよいでしょう。

自分の状況に合わせた債務整理を

自己破産にするか、個人再生のどちらを選ぶか迷ってしまう場合には、まずは借金の総額を確認しましょう。
そして、その借金は減額により返済が可能かどうかを検討します。
マイホームや手放したくない財産があるかどうか、借金の保証人がいる場合には保証人への影響など周りの状況を同時に考慮して、最適な債務整理の方法を選んでください。

どれくらい戻ってくるのか?