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債務整理をしたら共同名義の住宅ローンはどうなる?配偶者への影響は?

2020年1月17日 公開 更新

債務整理を検討している人の中には家族への影響が心配になる人も多いでしょう。
特に夫や妻と共同名義で住宅ローンを組んでいる場合、債務整理はどのような影響を及ぼすのでしょうか。
この記事では、債務整理を行った時に想定される配偶者への影響や共同名義の住宅ローンの取り扱いについてまとめました。
これから債務整理を行う人はぜひ参考にして下さい。


司法書士法人相澤法務事務所は2009年東京都板橋区にて開業2019年で10周年を迎える。
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司法書士法人相澤法務事務所

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代表司法書士 相澤 剛

債務整理をした場合の配偶者への影響

債務整理を行うと、その情報は信用情報機関に登録されます。
これはいわゆる「ブラックリストに載る」ことで、一定の期間は新たな借入をしたり、新規でクレジットカードを作成したりすることができません。
ただしブラックリストに載るのは債務整理を行った本人のみです。
配偶者が債務整理をしていない場合、その信用情報に影響は出ません。
しかし、共同で借入を行っている場合は事情が変わります。
例えば共同名義で住宅ローンを行っている場合や収入合算をしている場合、また債務整理を行っている本人が連帯保証人になることはできなくなります。

また、配偶者が債務整理をすることで、家庭内の経済状況が悪化していると懸念される可能性は高くなります。
ブラックリストには債務整理を行った人の氏名だけでなく住所も登録されます。
そのため、配偶者も同一の住所に住んでいることから夫婦関係にあることが判明するでしょう。
経済状況が悪化していると判断された場合は、妻や夫のクレジットカードが停止されたり、限度額が下げられたりする場合もありますので注意して下さい。

住宅ローンの単独名義・収入合算・共同名義の違い

配偶者が債務整理を行うことで最も影響を受けるのは住宅ローンです。
夫または妻が単独名義で住宅ローンを行い、連帯保証人が配偶者でない場合には影響はありませんが、収入合算、共同名義などの方法は影響が大きくなります。
この段落では住宅ローンの種類である単独名義・収入合算・共同名義はどのように違うのかまとめました。

単独名義

単独名義は、夫婦どちらかが単独で住宅ローン契約をする方法です。
これは配偶者に収入や資産がない場合に行われる方法で、名義は契約を交わした本人のみとなります。
借入可能額に関しても契約者の収入に応じても決定されますので、配偶者の収入や資産は決定の対象になりません。
万が一契約者本人が何らかの事情でローン返済できなくなった場合は、家を手放すことになります。
基本的に契約者が返済不能となっても配偶者がローンの支払いをすることはありません。
ただし配偶者が住宅ローンの保証人になっている場合は、支払い義務が移行しますので注意しましょう。

収入合算

収入合算とは、契約者本人の収入だけでなく、配偶者や子どもなどの近親者の収入も合算して住宅ローンの契約をする方法のことです。
この方法を行う最大のメリットは、借入可能額を増やすことが可能になること。
仮に契約者本人の収入が少なくても、収入合算を行うことで収入が多い計算になるため、借入可能額の増額が実現できるのです。
ただし、収入合算する人は近親者のみに限られます。
そのため子どもが複数いてもそのうちの1人だけしか合算に加えることはできません。

契約者とともに収入合算を行った人は契約者の連帯保証人となりますので、もし契約者が債務不履行になった場合は連帯保証人に支払い義務が発生します。
契約者が債務不履行になる主な原因は、借入可能額が増額されることで気持ちが大きくなり、返済が難しい額まで借入を行うことにあるようです。
家族間でトラブルを引き起こさないためにも、事前に借入は返済可能な金額まで抑えるなど、綿密な打ち合わせを行うようにしましょう。

共同名義

共同名義は別名ペアローンとも呼ばれていることからも分かるように、2人がそれぞれ住宅ローンの契約を行うことです。
収入合算の場合には契約者はあくまでも1人でしたが、共同名義にすると契約者は2人となります。
名義人の契約は別々になりますので、それぞれの契約を結ぶことで自分の責任範囲を明確にできることが最大のメリットでしょう。
個別契約なので住宅ローンによる税金対策も別々に手続きすることができますし、団体信用生命保険にもそれぞれが加入することができます。

団体信用生命保険は、共同名義で契約をした相手が死亡したり、重度の障害を持ったりした場合などに相手のローン残債を返済する保険のことです。
万が一どちらかが死亡した場合は保険が適用されるため、共同名義人は死亡した人に対しての住宅ローン返済はなくなります。
もちろん自分で契約した分の住宅ローンに関しては返済しなければいけませんが、相手の死亡などでローンの負担が2倍にならない点も共同名義のメリットだと言えます。
ただし共同名義は収入合算のように連帯保証ではなく連帯債務になります。
その分収入合算よりも返済条件が厳しくなることがありますので注意して下さい。

任意整理した場合の住宅ローンの扱いは?

任意整理は、弁護士が債務者の代理で借金を減額したり、返済条件を変更してもらったりする方法です。
しかし住宅ローンの場合は交渉しても大幅な条件変更は見込めませんので、任意整理から外さやすいという側面があります。
交渉はすべての債権者を対象とする必要はないため、住宅ローンを任意整理の対象から外せば影響を受けることはありません。
任意整理前に契約した住宅ローンであれば、その支払いが延滞していなければ自宅を手放す必要もないです。
そのため借金の返済をしながら引き続き同じ家で生活することができます。

ただし契約者の住宅ローン返済を滞納した場合は要注意。
この場合は連帯保証人に返済義務が発生し、代わりに支払わなければいけません。
任意整理の対象となった借金返済をスムーズに行うことはもちろん大切なことです。
さらに連帯保証人に迷惑をかけないために、たとえ住宅ローン返済が任意整理から外れたとしても滞納は避けるようにしましょう。

個人再生した場合の住宅ローンの扱いは?

個人再生は任意整理とは異なり基本的にすべての債権者が債務整理の対象になります。
その一方で住宅資金特別条項に基づいて住宅ローンだけは特例が認められています。
債務者本人名義の住宅に関しても、居住用であれば在宅ローンを債務整理の対象から外すことは可能です。
しかし、住宅ローンを共同名義にしていたり収入合算で契約していたりする場合は取り扱いが異なってきます。
この段落では共同名義と収入合算、それぞれの住宅ローンの扱い方について解説します。

共同名義の場合

共同名義を夫婦で行っていて、どちらかが個人再生を申し出た場合、この住宅ローンは住宅資金特別条項の条件を満たさないため、債務整理の対象になります。
基本的に住宅ローンは債務整理の対象に含まれるため、本来であれば自宅は手放す必要があるのです。
しかし共同名義を行っている相手にまったく借金がない場合などは、住宅資金特別条項の特例が認められるケースもあります。
事例は少ないのですが、共同名義人の状況によっては特例が認められる可能性はゼロではありません。

また、共同名義を行っている夫婦がどちらも個人再生を申し立てた場合は、住宅資金特別条項条件を満たすことで住宅ローンが債務整理の対象から外すことができます。
対象から外れた場合は自宅を手放す必要もなくなりますので、夫婦で個人再生を申し立てる時は、住宅資金特別条項条件についても確認しましょう。

収入合算の場合

収入合算で住宅ローンを契約し、夫婦のどちらかが連帯保証人となっている場合、どちらか一方が個人再生を申し立てることで住宅資金特別条項の適用が許可されます。
ただし個人再生が実行された場合、借金返済は再生計画通りに行う必要があります。
この場合通常であれば住宅ローンは弁済が禁止されてしまいます。
弁済とは債務者が債務の給付を実行することで債権を消滅させることですが、これが禁止されてしまうと住宅ローンは期限の利益を失うため遅延損害金が発生します。
このような状態を防ぐため、住宅ローンに限っては一部弁済許可を受けることで個人再生の手続きを行った後も住宅ローンの弁済が認められるのです。

住宅ローンの場合、住宅資金特別条項を利用することで連帯保証人が一括で返済を求められることはありません。
しかし債務者は一部弁済許可を受けないで住宅ローンの弁済を行うと、民事再生法違反となってしまいますので注意して下さい。
住宅ローンの弁済を認めてもらうためには、一部弁済許可の申し立てが必須です。

自己破産する場合は共同名義の家はどうなる?

自己破産を行う場合、共同名義の家はすべて競売にかけられるのではなく、自己破産申請を行った破産者の持ち分だけが競売にかけられます。
共同名義人が自宅を競売にかけられたくない場合は、破産者の持ち分を買い取る必要があります。
しかし破産手続きを行う前に破産者が共同名義人へ売却したり、贈与扱いにしたりすると詐害行為になる可能性が高いので決してやらないで下さい。
共同名義人が破産者の持ち分を買い取りたい場合は、破産管財人から相場の価格で購入する必要があります。

自己破産をすると破産者は住宅ローンの支払い義務がなくなりますが、共同名義人も住宅ローンの支払いができない場合は自宅がすべて競売にかけられてしまいます。
また、住宅ローンの残りに関しては共同名義人や連帯保証人は返済を続ける必要があります。
このような面からも自己破産を検討している場合は、申請前に住宅ローンの支払についてきちんと確認しておく必要があるでしょう。

自己破産する際に共同名義の家を任意売却できる?

自己破産を避ける方法に任意売却があります。
任意売却は、住宅ローンの契約を行っている金融機関から同意を得ることで自宅を売却し、その資金を借金返済に充てる方法のことです。
もし住宅が共同名義だったとしても、共同名義人の同意を得ることができれば任意売却は可能です。
ただし共同名義を行った夫婦が離婚しようとしていたり、相続問題が絡んでいたりするなどの事情があり、相手の同意が簡単に得られない場合は、任意売却の手続きが難航することもあります。

共同名義を外すことはできるのか?

共同名義で住宅ローンを借りている場合は、その住宅ローンの連帯保証人は共同名義の片方であることが多いです。
夫婦で共同名義をしている場合は、夫の住宅ローンの連帯保証人が妻であったり、その逆だったりするケースはよく見られます。
この場合は共同名義を外すことはできますが、連帯債務は外すことができません。
また、共同名義を外すことで思わぬデメリットも発生します。
共同名義を外した場合、債権者からは「連帯債務を放棄し返済する意志がない」と判断される可能性もあるからです。
そのように判断されると債権者から住宅ローンの一括返済を求められる場合もありますので、共同名義を外す場合のリスクについてはきちんと確認しておきましょう。

債務整理の際は共同名義になっている住宅ローンの扱いに注意

債務整理を行う場合は、共同名義になっている住宅ローンの扱いは複雑になります。
特に個人再生や自己破産を行った場合は、債務整理をした本人だけではなく共同名義人への影響が大きくなることは避けられません。
家族と共同名義で住宅ローンを借りている場合は、債務整理については特に慎重に検討する必要があると言えます。
債務整理を行う際に心配なことがあれば、弁護士や司法書士などの専門家へ早めに相談しましょう。

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