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債務整理と信用情報。生活への影響は?回復期間はどれくらい?

債務整理を検討しているなら、債務がどれくらい減るか、返済期間がどれくらい縮められるかだけでなく、信用情報の意味や生活への影響も気になるのではないでしょうか。
債務整理をすると、信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状況になります。
ここでは、信用情報について知っておきたい基礎知識や生活への影響、回復までの期間の目安や対処法を解説します。


債務整理で役立つ信用情報に関する4つの基礎知識

債務整理を行うにあたって信用情報についても気になるものでしょう。
債務をどうにかすることも重要ですが、債務整理を行った後の生活も重要です。
債務から解放されても、今後生活する上で信用情報に影響を及ぼすのでは、と不安になる人もいるでしょう。
ここでは、債務整理に関する信用情報について、概要、登録情報、デメリット、開示情報の4つのポイントから紹介します。

信用情報の概要

信用情報について知るために、まずは信用情報の基本的な概要について説明しましょう。
「信用情報」とは、クレジットカードやカードローンなどの借入をすると、特定の機関に登録される顧客情報を指します。
この信用情報が登録される団体のことを、「信用情報機関」と呼び、国内では日本信用情報機構(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つが主な機関です。

信用情報では、これまでのクレジットカードやローンの契約内容や取引内容などの履歴が記録されています。
そのため、新しく借入をしたりクレジットカードを発行したりする与信審査において、契約者に支払い能力があるかを判断する上で活用されているのです。
特に、延滞や債務整理といった情報は「事故情報」と呼び、これが登録されていると、いわゆる「ブラックリスト」に載った状態と言えるでしょう。

登録される情報

信用情報機関に登録される内容は、個人の信用を客観的に表した情報です。
基本的情報として、氏名、生年月日、住所など個人を特定できる情報が登録されているのはもちろんのこと、信用力に関する情報も登録されています。
信用力に関する情報は、クレジットカードやローンを利用した契約内容、返済状況、利用残高といったものです。
そのほかにも、延滞や債務整理などの「事故」が発生した場合や、個人再生とも呼ばれる民事再生、自己破産といった情報も一定期間登録されます。

登録のデメリット

信用情報機関に登録される信用情報とは、個人の信用力を判断するためのものです。
信用情報はクレジットカードを新たに作る際やローンなど、借入を申請する際に、支払い能力があるかの判断基準になるため、非常に重要でデリケートな情報と言えるでしょう。
こうした情報が登録されているからこそスムーズな借入や限度額の融通が可能であるなど、メリットは大きいのです。
そのため、特に返済の滞りや債務整理をしていなければ、登録されること自体にデメリットはないでしょう。

一方、信用事故や債務整理の経験がある場合、信用力に制限がかけられます。
こうした事故情報は最大5~10年程度にわたって登録され続け、その間、信用力が弱いと見なされ、新たにクレジットカードの発行ができなかったり、ローンを組めなかったり不利益を被ることがあるでしょう。
信用力が保たれることが望ましいですが、信用事故や債務整理によって一定期間ブラックリスト入りしてしまった場合でも、登録期間が過ぎればこうした情報は削除され、新たにクレジットカードを作ったりローンを組んだりすることができるようになります。

開示できる情報

信用情報機関に登録されている自分の情報は、開示を求めることができます。
開示請求は信用情報機関の窓口・郵送・インターネットで行えますが、各信用情報機関によって手続き方法が異なるため、それぞれの機関の開示請求手続きに従いましょう。
国内にある3つの信用情報機関はそれぞれ扱っている信用情報が異なるため、自分がどの信用情報を得たいかによって請求先を定めます。
具体的には、クレジットカードの利用履歴や信販会社との取引履歴を調べたい場合はCICに、消費者金融会社との取引履歴を調べたい場合はJICCに、銀行や信用金庫との取引履歴の場合はKSCに開示請求を行いましょう。
債務整理を行ったことがある場合は、その情報は全ての信用情報機関に記録されるため、全ての機関に開示請求を行うのが確実です。

いずれの場合も本人確認書類、開示手数料を準備する必要があります。
開示できる情報としては、登録されている個人情報、クレジット、ローンといった取引に関する情報です。
また過去の支払遅延や民事再生、自己破産などの法的手続きの有無も登録されているか確認できます。
開示請求は、主に債務整理してから一定の年数が経過した後に、自分の過去情報が登録されているのか確認する際などに利用されています。
開示請求を行うと、信用情報開示報告書が受け取れます。
ここには「クレジット情報」や「申込情報」、「利用記録」が記載されており、中でもクレジット情報における「入金状況」「お支払の状況」「割賦販売法の登録内容」「貸金業法の登録内容」をチェックすることで、事故情報が登録されていないか確認できるでしょう。

債務整理が信用情報に与える影響

信用情報はクレジットやローンなどの契約に大きく関わるものですが、債務整理をすると信用情報にどう影響を及ぼすのか気になるものでしょう。
債務整理は個人の借金(債務)を整理し、返済を円滑にするための方法です。
債務整理は大きく5つに分けられ、「任意整理」「過払い金返還請求」「特定調停」「民事再生」「自己破産」が挙げられます。
どの方法を行うかについては、収入や借金の金額などによって異なるでしょう。
債務整理は借入の返済が滞ったり返済ができなくなった場合に利用されるため、信用情報にも大きく関わるものです。
ここからは、債務整理をすると信用情報がどうなるのか、任意整理、民事再生、自己破産の3つのパターンに分けて紹介します。

任意整理

「任意整理」は債務整理の1つの方法で、弁護士・司法書士が債務者と債権者との間に入り、借金の利息カットや現在よりも楽な支払いをするよう交渉することです。
裁判所を通さず、当事者間の交渉になるため手続きが比較的簡単なのが特徴でしょう。
そのため、債務整理の中でも最もよく利用されていると言われています。
また、和解できない場合に裁判所の調停手続きを利用する「特定調停」という方法もあります。
任意整理を行った場合、JICCには最大5年、KSCにも最大5年間その情報が記録され、いわゆる「ブラックリスト」に載った状態になるでしょう。

CICのホームページでは、「特定調停や民事再生の申請および債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません」と記載がありますが、一定期間返済遅延したり、保証履行(代位弁済)がされたりした場合は「異動」として最大5年間記録されるため注意が必要です。
「異動」とは、金融事故発生のことを指します。
異動と記載される条件としては、「返済日から61日以上もしくは3ヵ月以上支払延滞」「保証履行が発生した場合」「裁判所が破産を宣告した場合」の3点です。
このうち保証履行とは、契約者に代わり保証会社が支払いを行うことを言います。

民事再生

「民事再生」とは、裁判所を通して借金の減額・免除を行うことで、最大1~2割にまで借金額が減額される債務整理の方法です。
保有する住宅などの財産は処分せずに借金返済をしていく、という点が特徴でしょう。
自己破産では住宅などの保有している財産も手放さなければなりませんが、民事再生では処分せずに済みます。
また、自己破産では借金全額の支払義務が免除されますが、民事再生では減額されるとはいえ、返済義務は残るという違いが特徴です。
住宅などの処分されたくない財産があり、継続的な収入がある人は民事再生を選ぶことが多いでしょう。

民事再生を行う場合、JICCには最大5年、KSCには最大10年間その情報が登録されます。
JICCは任意整理、民事再生ともに最大5年間ですが、KSCは民事再生では最大10年間と倍の期間登録されることに注意しましょう。
CICに関しては、任意整理と同様、一定期間返済を滞納したり、保証履行(代位弁済)があったりした場合は「異動」として最大5年間記録されます。

自己破産

「自己破産」とは、借金返済の見込みがない、すなわち支払不能を裁判所に認定してもらい、借金の支払義務が免除される手続きのことです。
自己破産の場合、JICCには最大5年間、KSCには最大10年間その情報が登録されます。
CICではホームページで2009年4月から官報情報の収集・保有をしていないと記載されています。
ただし、裁判所が破産を宣告したものに関しては、最大5年間「異動」として記録されるため注意しましょう。

債務整理後に信用情報を回復させるために意識すべきこと

任意整理、民事再生、自己破産、いずれの場合においても、債務整理をしたからには信用情報にキズがつくことは覚悟しなければなりません。
しかし一度事故情報として信用情報が登録されてしまった場合でも、完済あるいは破産して返済が免責された時点から所定の年数が経過すれば自動的に事故情報は消えます。
一定期間さえ我慢すれば、その後はこれまで通りクレジットカードの発行や借入が可能になるでしょう。
債務整理に臨む際は、こうした見通しを持つことも大切です。

そうはいうものの、できるだけ早く信用情報を回復させたいと思うものではないでしょうか。
自己努力で信用情報を回復するには、安定的な収入を得て、信用力があることを証明できるかが大切です。
仮に身に覚えがないのに事故情報が登録されている場合、何かの誤りの可能性があるため、申し立てが認められれば信用情報が回復することがあります。
ただし、債務整理を行っても、1社でも滞納したまま漏れがある場合は信用情報が回復しないため、注意しましょう。

債務整理は信用情報の影響も意識しながら検討しよう
債務整理を行った場合は、最大5~10年間は信用情報に記録され、信用力に影響を及ぼすおそれがあります。
クレジットカードの発行やローン審査において不利になるケースがあるため、ある程度影響を知っておくと役立つでしょう。
債務整理では信用情報に対する影響や回復の条件などを理解しながら、債務整理を検討することが大切です。

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