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債務整理の種類が知りたい!民事再生や任意整理などの違いって?

何かとお金が必要となる現代社会では、やむを得ず抱えてしまった借金に苦しんでいる人も少なくないでしょう。
日本には債務に苦しむ人の法的救済措置として、債務整理と呼ばれる制度があります。
しかし一口に債務整理といっても実はいくつかの種類が存在しており、その中で自分の状況にマッチした手段を講じる事が重要です。
今回は債務整理についてそれぞれの違いや特徴をご紹介します。

「債務整理」とは何か?

債務整理は借金問題を解決するための手段として有効な制度ですが、どのようなものか詳しく知らないまま利用する事は危険と言えます。
自分のお金に関わる制度なので、仕組みや理念をよく理解した上で検討する事が大切です。
ここでは債務整理の目的や種類について詳しく見ていきましょう。

目的

債務整理とは借金問題に苦しむ人を救済するための法的制度であり、将来的に債務者の生活を立て直す事を目的としています。
基本的には債務整理する人の年齢に上限はなく、職業についても制限は設けられていません。
原則的には借金で困っている人であればどのような人でも利用出来る制度なのです。
ただし、債務整理は種類によって特性が異なるので債務者が自分の状況にマッチした整理方法をとる事が重要になります。
自分に合わない債務整理を行ってしまうと思ったように効果が得られないばかりか、予期せぬデメリットを被ってしまう可能性もあるのです。

種類

債務整理は大きく「民事再生」「特定調停」「任意整理」「自己破産」4種類の方法に分ける事が出来ます。
それぞれの債務整理は借金の処理方法や適した整理金額が異なるので、各方法について詳しく見ていきましょう。

民事再生

民事再生とは裁判所に申し出て借金を大幅に減額してもらう事を目的とした債務整理の方法であり、「個人再生」という呼び方もあります。
借金を5分の1から10分の1程度まで減額させる事が出来るので、比較的大きな金額の債務整理に用いられる手段と言えるでしょう。
また、民事再生では家や車といった所有財産を失わずに債務を整理する事が可能です。
民事再生は任意整理と自己破産の中間にあたるような債務整理と言えます。

特定調停

特定調停とよばれる債務整理は、簡易裁判所が債務者と債権者の間を取り持って返済方法について折り合いをつける方法です。
仲介役となる人間は調停委員と呼ばれ、法律や借金問題に関する知識やノウハウを備えた民間人で構成されています。
特定調停の手続きを進めている最中は債権者からの取立てがストップするので、債務者は心理的な圧迫から一時的に解放されると言えるでしょう。
ただし、調停が結ばれるまでに借金の遅延損害金が加算されてしまうケースもあるので注意が必要です。

任意整理

任意整理では弁護士や司法書士といった第三者が債務者と債権者の間に入って、返済方法についての話し合いを行います。
将来利息をカットして返済額を少なくし、月々の返済を楽にして借金の完済を目指す事が任意整理の主な目的です。
煩雑な手続きも必要なく、比較的少額の借金を整理するのに適した方法と言えるでしょう。
また、任意整理中は原則的に遅延損害金が発生しないというのもポイントです。

自己破産

自己破産は裁判所に申し立てを行う事で債務を帳消しにする事の出来る債務整理です。
一般的に借金を整理するというと自己破産を連想する人も多いですが、債務整理の中で最も大きなリスクを伴う最終手段とも言うべき方法になります。
他の債務整理でも借金問題を解決する事が出来ない場合に用いられる事が多いです。
どれだけ多額な借金でも帳消しにする事が出来ますが、一定以上の財産を所有している場合はそれら全てを手放す必要がある点に注意しましょう。

民事再生をはじめとする債務整理のメリット・デメリット

債務整理はそれぞれの特性上、メリットとデメリットが共存しています。
どんな借金問題にも万能な効力を発揮する方法というものは存在していないのです。
状況を打開するにはどの債務整理が適切なのか、手続き後に気をつけるべきポイントはどこなのか、メリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。

民事再生

民事再生のメリットは借金の元本を大きく減額してもらえる可能性が高いという点です。
ただし、民事再生で整理出来る借金の上限は5000万円までと定められているので留意しておきましょう。
また、持ち家の住宅ローンを抱えている場合には住宅ローン特則と呼ばれる制度を利用する事で、持ち家を手放す事なく借金を大幅に減額する事が出来ます。
反面、民事再生は認可してもらうために多くの条件を満たす必要がある点がデメリットです。
裁判所を介して借金の減額を行うため綿密な返済計画を立てる事が求められ、借金状況や手続き後の支払い能力が厳格に審査されます。

特定調停

特定調停は費用を安く押さえられる事が大きなメリットとして挙げられます。
弁護士や司法書士といった専門家に依頼する場合は着手金や成功報酬など高い出費が必要となる場合が多いです。
しかし特定調停で仲介役となるのは営利を目的としない調停委員であり、実質的な費用は債権者1名(1社)あたり500円の印紙代と予納郵便切手代で済みます。
難しい知識も必要ないので、自分一人で手続きを進める事も可能です。
ただし、特定調停はあくまで「話し合い」なので債権者が協力的な姿勢でない場合は交渉が難航する事もあります。
和解案通りに支払いが行われない場合は債権者が強制執行に踏み切る可能性もあるので注意が必要です。

任意整理

任意整理のメリットは債務整理にかける債権者を選ぶ事が出来るという点でしょう。
多重債務に苦しんでいる場合、債権者によって借金の額が異なる場合が多いです。
その中で早急に対処するべき債務を選んで、その借金だけを債務整理する事が出来るのです。
任意整理では将来利息をカットしてもらえるので、返済を継続する事で効率的に元本を減らす事が出来ます。
その反面、利息制限法で定められた金利以下の債務では元本が減額になる事はありません。
任意整理では元本の減額は難しいのです。
また、返済期間が原則的に3年~5年と定められている点にも注意しましょう。

自己破産

自己破産はどれだけ大きな借金でも支払い義務を帳消しに出来る点が最大のメリットと言えます。
借金を完全に無くす事の出来る債務整理は自己破産のみです。
生活に必要な最低限の家財や現金は手元に残したまま、借金問題を完全に解決する事が出来ます。
ただし、住宅や車など一定以上の価値がある財産は没収される事になるので注意が必要です。
家族と同居している場合には事前によく話し合っておく事が大切と言えるでしょう。
また、自己破産を行うと将来的に税理士や保険外交員など一定の職に就けなくなる資格制限を受ける事もデメリットです。

債務整理はどれを選べばいいの?

どの債務整理を選べば良いかは、自身が抱える借金や経済状況によって異なります。
例えば、多額の借金を抱えているものの持ち家は守りたいという人であれば、民事再生を利用する事で住宅を手放す事なく大幅な借金の減額が期待出来るでしょう。
リボ払いのように元本が中々減らない借金を古くから抱えている場合には、任意整理や特定調停のような交渉に重きを置いた債務整理で払い過ぎた利息を取り戻す事が出来る可能性もあります。
職を失ってしまい支払い能力がなく、借金を完全に帳消しにする必要がある場合には自己破産するしかありません。

債務整理をするなら知っておきたいこと

借金問題に対して有効な手段である債務整理ですが、いざ実行に移すにあたっては気をつけておきたいポイントがいくつかあります。
予期せぬトラブルを避けるためにも、債務整理の注意点をしっかり把握しておきましょう。

周囲に知られる場合もある

民事再生と自己破産では手続きの後に「官報公告」が行われます。
官報とは政府が発行している機関紙であり、民事再生や自己破産を行った債務者はこの官報に氏名や住所が掲載されるのです。
日常生活を送る上ではあまり目にする機会のない官報ですが、一般公開されているので簡単に閲覧する事が出来ます。
周囲に債務整理の事実が知られてしまう可能性があるので注意が必要と言えるでしょう。
なお、債務整理の事実を周囲に悟られにくいのは任意整理です。
任意整理は裁判所に出向く必要がなく手続きも簡易的なため、弁護士事務所からの郵送物などに気をつけておけば同居している家族などにもバレずに済みます。

保証人に影響が及ぶ

債務整理にかける借金に保証人が付いているかどうかは、事前に必ず確認しておくようにしましょう。
債務者が民事再生や自己破産をしたとしても、保証人が返済するべき借金の額は変化しないのです。
債務者本人が民事再生や自己破産を申請すると、債権者はまず保証人に対して借金の一括請求を行います。
保証人が一括返済出来ない場合には、保証人と債権者の間で返済計画についての話し合いが行われるのです。
こうなると保証人に負担をかけてしまうばかりか、今後の人間関係においても影響を及ぼしかねません。
保証人も借金を支払いきれない場合には保証人も債務整理を行うという負の連鎖に繋がってしまいます。

金融事故として記録に残る

ショッピングローンやクレジットカード、ライフラインの使用料などの支払い状況は信用情報機関にデータが集められており、個人信用情報として管理されています。
そして債務整理を行うと、この個人信用情報に金融事故として記録が残ってしまうので注意が必要です。
金融事故の記録が個人信用情報に記載されていると、新たにローンを組んだりクレジットカードを作ったりする事が出来なくなります。
家族や友人の保証人になる事も出来ません。
個人信用情報にキズが残る期間の長さは、「どの債務整理を行ったか」と「記録が残る信用情報機関」によって異なります。
情報開示を請求すれば自分の信用情報の状況が分かるので、必要であれば問い合わせてみましょう。
なお、返済に遅延があればその分信用情報にキズが残る期間も長くなります。

民事再生などの債務整理は慎重におこなって!

債務整理は借金問題に苦しむ人にとって、起死回生の一手となり得る制度です。
しかし何も考えずに制度を利用すると、逆に自分の首を絞めてしまう事になり兼ねません。
民事再生や自己破産では家族や保証人にまで影響を及ぼしてしまう可能性もあるのです。
債務整理を利用するにはまずそれぞれのメリット・デメリットをしっかり把握した上で、自分の債務状況を打開するのに最適な方法を選ぶ事が重要と言えるでしょう。

どれくらい戻ってくるのか?