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債務整理は保証人にどう影響する?起こりうる問題について解説!

債務整理とは借金や多重債務に苦しむ人々を救うための法的な手続きのことです。
債務整理の方法によって借金の負担を軽減することや、借金の返済が免除されることもあります。
ただし、保証人がいる場合には迷惑をかけてしまう可能性があるので慎重におこなわなければなりません。
債務整理をおこなうと保証人にどのような影響が及ぶのでしょうか。
この記事では債務整理によって起こりうる問題について説明します。


そもそも「保証人」とは?

そもそも保証人はどのような責任があるのでしょうか。
民法上では「主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」(第466条)とあります。
つまり、借金の保証人になった人は、借金をした人が返済できない場合に、その人に代わって借金を返済する責任があるということです。
保証人の責任範囲は保証人の種類によっても変わってきます。
以下に保証人の種類と、保証人が必要とされる場面について説明します。

保証人の種類

保証人は大きく分けて保証人と連帯保証人にわけられます。
この2つは混同して使われることもありますが、法律上は明確な違いがありますのでご注意ください。
保証人に比べると連帯保証人の責任のほうがはるかに大きいのです。
以下にそれぞれ説明します。

保証人

保証人になるということは、お金を貸している側(債権者)に対して、お金を借りている本人(債務者)が返済できない場合には、代わりに返済するという約束をしたことになります。
したがって、債務者本人の借金の返済が滞ると、債権者は保証人に借金の返済を求めてきます。
このときに、保証人には、以下の3つの抗弁権(債権者の請求に対抗できる権利)が認められています。
保証人は債権者から借金の返済を求められても、状況によっては返済を回避できる可能性もあるのです。

・催告の抗弁権
債権者からいきなり返済を求められた場合に、まずはお金を借りている債務者本人に返済を求めるように請求できる権利です。

・検索の抗弁権
債権者から返済を求められても、先にお金を借りている債務者本人の財産を取り立てるように要求できる権利です。
債権者が債務者の財産を差し押さえるまでは、借金返済の請求を拒否することができます。

・分別の利益
保証人が複数いる場合に、借金の金額を保証人の数に応じて平等に分割し、分割された金額のみしか支払わなくて良いという権利です。

連帯保証人

連帯保証人の役割は保証人と基本的には同じです。
ただし、保証人よりもはるかに重い責任が課せられます。
連帯保証人と保証人の大きな違いは、保証人に認められている3つの抗弁権(催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益)が、連帯保証人には認められていないところです。
具体的には、債権者から借金の返済を求められた場合、連帯保証人はそれを拒否することはできません。
債務者本人に財産があったとしても、債務者の財産を取り立てるように要求することもできません。
複数の保証人がいる場合でも、借金の全額を請求される可能性があり、その返済責任を免れることができないのです。

以上のように、連帯保証人は債務者本人と同じ責任を持つことになります。
連帯保証人になるということは、借金をしていないにもかかわらず、借金をした本人と全く同じ返済責任が生じるということです。

保証人が必要とされる場面

保証人も連帯保証人も、債務者本人の代わりに借金を返済する責任があるのは同じです。
自分が保証人になることも、誰かに保証人になってもらうことも、できる限り避けたいものです。
しかし、人生の中では保証人が必要になるケースも確かにあります。
保証人はどのような場面で必要になるのでしょうか。
ここでは、保証人が必要とされる一般的な場面について説明します。

高額の借り入れ

銀行から高額の借り入れをおこなうときには保証人、または、連帯保証人が必要です。
高額の借り入れの例としては、会社の運営資金を借りるケースがあげられます。
この場合、会社の代表者が連帯保証人になることもあれば、取引先や知り合いに保証人になってもらうこともあります。

住宅ローン

住宅ローンは数千万円以上の高額となるため、連帯保証人が必要になります。
ただし、家と土地の名義が住宅ローンの借主と同じ場合は、連帯保証人が不要になるケースが多くなっています。
家と土地が担保になるからです。
また、連帯保証人が見つからない場合は住宅ローンを利用することができなくなってしまうので、金融機関は連帯保証人よりも保証会社を利用することで、住宅ローンを促進するように変わってきたのです。

奨学金

奨学金は、学生が学費の支払いのために借り入れるお金のことです。
低金利または、無利子で借りられるのが特徴ですが、借りたお金は返済しなければなりません。
そして、未成年者が奨学金制度を利用する場合は連帯保証人が必要になります。
一般的には親や親戚が連帯保証人になるケースが多いですが、保証会社を利用できる場合もあります。

債務整理による保証人への影響

債務整理をおこなうと債務者本人の借金の負担を軽減することができますが、保証人には多大な影響が及ぶ可能性があります。
債務者の代わりに保証人が借金返済の責任を負う場合があるのです。
保証人への影響の大きさは債務整理の方法によって異なってきますので、債務整理の方法ごとに保証人への影響を説明します。

保証人への影響が大きい債務整理

保証人へ影響が大きい債務整理には、民事再生と自己破産があげられます。
債務者本人の借金を大幅に減額することができますが、保証人には債権者から借金の全額返済が請求されることがあります。
それぞれ詳しく説明します。

民事再生

民事再生は個人再生とも呼ばれ、裁判所を通じて借金を大きく減額してもらう債務整理手続きです。
お金を借りている本人が裁判所に再生計画を提出することで、借金を5分の1程度に減らせることができます。
減額された借金は3~5年かけて返済していきます。
民事再生は住宅や車などの資産を失わずに、借金の金額を大きく減らせるのがメリットです。
ただし、債務者の借金を減額することはできますが、保証人に返済義務がある金額は変わりません。
したがって、民事再生が行われると、債権者から保証人に一括で返済が求められるケースがほとんどです。
保証人が返済できない場合は、保証人も債務整理をしなければならなくなります。

自己破産

自己破産は裁判所を通じて家などの全財産を手放す代わりとして、借金が免除される債務整理手続きです。
お金を借りている本人が裁判所に申し立てをおこない認められると実行されます。
ほとんどの財産を失うことになりますが、どんなに高額の借金でも返済が免除されるという大きなメリットがあります。
自己破産後の収入はすべて生活費として使うことができるので、借金の返済や督促に苦しむことなく人生をやりなすことが可能です。
ただし、自己破産をしても、保証人の返済義務は残り続けます。
民事再生と同様に自己破産後は保証人に一括で返済が求められます。
返済が難しい場合は保証人も債務整理が必要になってしまいます。

保証人への影響を抑えられる債務整理

保証人への影響を抑えられる債務整理としては、任意整理と特定調停があげられます。
保証人がいる債務を債務整理の対象から外すことができるので、保証人に迷惑をかけることなく債務整理がおこなえます。
それぞれ詳しく説明します。

任意整理

任意整理は弁護士に依頼して、お金を貸している人(債権者)と交渉し、借金の金額を見直してもらう債務整理手続きです。
裁判所を通さないので法的な制限が少なく、迅速に対応できるのがメリットです。
弁護士に依頼すれば借金の取り立てをすぐに止めることができます。
しかし、民事再生や自己破産のように大幅な借金の減額は望めません。
もうひつつのメリットが、一部の債務を債務整理の対象から外すことが可能なことです。
保証人がいる債務を対象外とすれば、保証人に迷惑がかかることはありません。
他の債務を減額することで、保証人付きの債務の返済に充てるお金を捻出できる可能性があります。

特定調停

特定調停は簡易裁判所に申し立てをおこなうことで、債権者との借金の減額交渉を仲裁してもらう債務整理手続きです。
特定調停の場合も一部の債務を債務整理の対象から外すことが可能なので、任意整理と同様に保証人がいない債務のみを対象にできるというメリットがあります。
大幅な借金の減額が望めないのも任意整理と同じです。

任意整理と特定調停の違いは、任意整理が弁護士に交渉してもらう私的な手続きであるのに対し、特定調停は裁判所に仲裁してもらう公的な手続きだということです。
手続きや交渉のし方にも違いがあります。
任意整理の場合は弁護士が債務者の代理人としてすべての手続きと交渉を行います。
特定調停の場合は調停委員が仲裁に入って手続きを進めてくれますが、債権者との交渉は債務者自身がおこなわなければなりません。

債務整理後に起こりうる保証人以外の問題

債務整理をおこなえば借金そのものを減らすことができる一方、その後にさまざま問題が発生する場合があります。
ここでは債務整理をした後に起こりうる問題について説明します。

ブラックリスト入り状態になる

債務整理をおこなうと、各信用情報機関が管理する個人信用情報に事故情報が記録されます。
いわゆるブラックリスト入りすることになるのです。
ブラックリスト入り状態になると、ローンやキャッシングだけでなく、クレジットカードの利用もできなくなります。
使っているカードは止められて新規にカードを作ることもできません。
ブラックリストの期間は5年~10年とされています。
債務整理後、保証人が借金を返済できない場合(借金返済の責任を負う場合)、保証人もブラックリスト入り状態になってしまいます。

債務整理をした人は保証人になれない

ブラックリスト入り状態になると、その後は保証人になることはできません。
新たな借金の保証人になることはないでしょうが、子供の奨学金の保証人になることもできないので要注意です。
事故情報が記録される期間は信用情報機関の違いや、返済の遅延の有無によっても異なりますが、この期間を過ぎれば再び保証人になることは可能です。

債務整理は保証人への影響も考慮しておこなおう

債務整理をおこなえば自分自身の借金は減らせます。
しかし、保証人にはさまざまな影響が及ぶ可能性があるのです。
したがって債務整理は慎重におこなう必要があります。
保証人になってもらった人にはできる限り迷惑はかけたくないものです。
保証人がいる場合は弁護士など専門家へ相談すると安心です。
債務整理は保証人への影響を考慮した上で進めていきましょう。

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