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奨学金の返済が苦しい時の対処法!救済制度と債務整理が必要なケースとは?

奨学金は大変便利でありがたいシステムです。
しかし借りたお金は返済しなければなりません。
時には、返済が遅れた場合にはどうなるのか不安になる事もあります。
ここでは奨学金の返済が遅れた場合のデメリットや、その救済措置を紹介します。
この記事を読めば、奨学金の返済にも有効な「債務整理」についても知ることが出来るようになります。


奨学金の返済が遅れた場合のデメリットとは?

奨学金を利用している人は数多く存在しています。
しかしその返済に困っている人も非常に多いのです。
今現在は返済できている人であっても、万が一奨学金を延滞した時のリスクがどのようなものなのか知ることにより、今後行うべきことが見えてくるものです。
ではまず、奨学金の返済が遅れた場合のデメリットについて解説します。

延滞料金が発生する

奨学金の返済が遅れてしまった場合には、年間2.5%から10%の延滞料金が発生します。
その延滞料金は無利息の「第一種奨学金」か、利息とともに返済する「第二種奨学金」かによって延滞料金の割合が変わります。
そして延滞後の支払いは利息の返済を優先させるために、元金がなかなか減らないことも予測されるのです。
他にも奨学金を利用した時に、親や知人に連帯保証人になってもらう「人的保証」の状態で延滞した場合には、本人だけでなく連帯保証人にも請求が行われるというデメリットもあるのです。
ただし「延滞据置猶予」を利用すれば、延滞が発生した時点でも、返還期限の猶予を申請することが可能になります。

金融事故履歴が個人信用情報機関に登録される

奨学金の返済を3ヶ月にわたり滞納してしまうと、個人信用情報機関に金融事故履歴が登録されることになります。
もしもそうなった場合には、いわゆる「ブラックリスト」に掲載された状態になるのです。
仮にブラックリスト入りになった場合には、延滞金や元本を完済しても、金融事故履歴が5年間は残ってしまうことになります。
金融事故履歴が残ると数々の厄介な事が起こります。

まずそうなった場合、「経済的信用度が低い」と判断されてしまう為に、住宅ローンや自動車ローンなどの各種ローンが組めなくなるといった弊害が発生します。
他にもクレジットカードが利用停止になったり、新規のカードが発行しにくくなるなどの様々なデメリットが伴うのが特徴です。
ただし個人信用情報機関に登録された情報は、金融機関のみで共有されるものです。
その為に就職活動で不利になったり、家族のローン審査などに弊害が生じることはありません。

裁判所とのやり取りが発生する

奨学金返済が遅れた場合には、裁判所と色々なやり取りをしなければならなくなることもあります。
例えば「債権回収」や「支払督促」などがそれに当たります。
延滞の初期段階では、日本学生支援機構から「催促通知」が届きます。
ですが返済延滞が長引いた場合には、委任された第三者や債権回収会社などによる督促が開始されることになります。
このような裁判所を介した請求を放置すると、最悪「強制執行」され財産が差し押さえられる恐れもあります。
ですがこの「支払督促」の段階では、まだ訴訟になる前の段階に当たります。
ですから支払いが可能であれば、早急に返還に応じたほうがよいでしょう。
また、延滞据置猶予を利用することも可能です。

仮に訴訟段階まで及ぶと、裁判所でお互いの主張を公的に争うことになります。
そこでは奨学金を借りた事実の他に、何らかの主張があれば債務者が主張することも可能になります。
もしもこの段階まで来た場合には、送られてきた訴訟の通知を放置してはいけません。
そのようなことをすると債権者側に有利な確定判決となるために、真摯かつ早急に対応することが望ましいです。

一括払いや差し押さえのリスクが高まる

さらに滞納期間が延びてしまい、奨学金の返済を「9ヶ月」にわたり滞納すると一括払いを求められることになります。
こうなった場合には、返還期日に達していない分や延滞金などを含めて、全ての債務を一括で返済するように求められてしまいます。
もし継続的に返済に応じない場合には、給料や財産を差し押さえられるなどの強制執行が行われることもあります。
他にも日本国際教育支援協会が保証人になる、いわゆる「機関保障」に加入している場合では、保証機関が未納分を代理返済することになります。
しかしその後は、保証機関から一括請求されることになり、支払いに応じなければ差し押さえなどの処置が入ります。

奨学金を対象とした返済猶予制度と利用条件

このような返済トラブルを防ぐ目的で日本学生支援機構では、奨学金の返済に苦しむ人を救済する為の「返済猶予制度」を設けています。
それは「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」などがあります。
ここではそれぞれの制度の特徴や利用条件などを紹介します。

減額返還制度

「減額返還制度」は災害や傷病、経済困難や失業などの理由によって、奨学金の返済が困難になった場合に適用される制度です。
この減額返還制度が適用されることにより、毎月の奨学金の支払額が半分から三分の一程度に減額調整されるという特徴があります。
ただし返済する奨学金の総額が減るわけではありません。
ですから毎月の返済金が減って支払いが楽になる代わりに、返済期間が延びるというデメリットがあるのです。
また、制度利用前に延滞が発生した場合には適用されなくなるので注意が必要です。

そして重要なことが、この制度を利用できる条件についてです。
この制度の適用条件は「災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること」と「延滞金がない」ことの二つです。
ここで言う経済的困難に当たる収入の目安としては、会社員等は給与所得が「325万円以下」であり、自営業の場合には収入から経費を差し引いた額が「225万円以下」という金額が該当します。

返還期限猶予制度(一般猶予)

「返還期限猶予」は、奨学金の返済期限延長を願い出るための制度です。
それは「一般猶予」と「所得連動返還型無利子奨学金」の二種類に分けられます。
一般猶予は、現在は奨学金返還が困難である者が、一定期間返還を待ってもらうことを目的とした制度です。
一度の申請につき、1年の猶予期間が得られる事が特徴で、最大で10年の猶予期間が認められるようになります。

適用条件は複数あり、主に産前休業・産後休業および育児休業中である場合や入学準備中である、もしくは病気やケガをしている場合にも適用されます。
他にも生活保護受給中である時や、失業中である時、経済的困難であったり災害に遭遇した場合や、海外派遣または海外居住の最中である時なども適用対象になります。
この場合の経済的困難にあたる収入の目安は、会社員等は給与所得が「300万円以下」、自営業は収入から経費を差し引いた額が「200万円以下」が該当します。

返還期限猶予制度(所得連動返還型無利子奨学金)

「所得連動返還無利子奨学金」における返還期限猶予は奨学金を借りた者が、一定以上の収入を得られるまで返還期限を延長する制度です。
これは無利息の第一種奨学金の制度として、2012年に誕生した制度です。
特徴としては減額返還制度との併用も可能で、年に1度の申請が必要になります。
ちなみに猶予期間は無制限です。
この制度の適用条件は、2012年以降の第一種奨学金に採用された人であり、 さらに給与所得が300万円以下の人がそれに該当します。
そしてこの制度は、自営業者か被扶養者でも適用条件が異なります。
さらに「返済延滞中である場合」や「日本学生支援機構へ訴訟を起こした場合」などは返還猶予が認められないケースもあります。

返還免除制度

「返還免除制度」は、本人が死亡した場合や精神や身体に障害をきたした場合に利用できる制度です。
奨学金を借りた本人が死亡した場合や、心身の損傷により、労働が出来ずに奨学金を返すことが困難である場合、奨学金の全てもしくは一部の返還が免除されるものです。
ただしこの制度のような奨学金の全額免除というのは死亡や、労働不能などのような余程のことがない限りは認められないのが通例です。

奨学金の返済にも有効な「債務整理」とは?

さて、返済猶予制度や減額制度を利用できない場合にはどのようにしたら良いのでしょう。
実は他にも債務整理という法的手段を取ることによって借金苦を軽減できるのです。
債務整理方法には「任意整理」や「個人再生」、「自己破産」の三つがあります。
ここではそれぞれの主な特徴について解説します。

任意整理

任意整理は、貸金業者と交渉して合意となった金額分を返済していく方法です。
特に奨学金以外にも借金があり、返済に困っている人にはおすすめの債務整理方法です。
ここで交渉する貸金業者は、債務者側で選択することが可能です。
奨学金以外にも借金がある場合には相当な負担になります。
ですから奨学金以外の債務を、任意整理することによって借金の負担額を減らすことが出来、その結果奨学金の返済が可能になるというケースがあるのです。
ただし任意整理をする際には、奨学金は対象から外したほうがよいでしょう。
なぜならば奨学金自体は返済期間が長く、金利も低く設定されている為に、任意整理をするメリットはあまりないからです。
もし奨学金を任意整理対象とした場合には最長60回、5年間までの分割払いしか認められないというデメリットもあります。

個人再生

個人再生は、借金の返済額が多く返済の目処が立たない場合におすすめの債務整理方法です。
個人再生は、任意整理と同じく借金を減額したり、支払い方法を見直して返済をしていく方法です。
この個人再生には任意整理よりも借金額を減らせることや、裁判所が介入するために強制力が高いという二つの特徴があります。
なお、個人再生を行うと保証人が奨学金の返済義務を負うことになります。
奨学金の保証人は親であることが多く、その場合は親が返済義務を負うことになってしまいます。

自己破産

自己破産は、奨学金の返済が事実上不可能となった場合の債務整理方法です。
もし仮に自己破産をして、免責の認定を受ければ借金が帳消しとなり、経済的な再スタートが可能になります。
ただし自己破産をしても、免責を受けなければ借金はゼロにならないので要注意です。
ちなみに免責とは、裁判所が借金の返済が不可能であると認めることに当たります。
ただし自己破産は全財産が没収される事になるために、簡単に選択するべき解決策ではないことは明白です。
任意整理や個人再生でも解決に及ばないような状況の場合のみ利用できる「最終手段」だと考えるべきでしょう。

奨学金の返済に困ったら債務整理も有効!相談窓口も積極的に利用しよう

このように奨学金の返済に困った時には、返済猶予制度を利用したり、債務整理等を行ったりすることで状況が改善に向かう事もあります。
ですが、最適な改善策がわからない場合や、家族を巻き込んでしまうような選択となる場合には決して独断するべきではありません。
このような場合にはまず、その道の専門家に相談することをおすすめします。

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