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弁護士と司法書士で何が違う?債務整理の仕組みとかかる費用について解説

借金問題に悩んでいて債務整理をしたいと考えているけれど、具体的にどの債務整理を選んだらよいのか、費用はどのくらいかかるのかわからないという人もいるでしょう。
債務整理をする場合は、仕組みや費用について知っておくことが大切です。
この記事を読めば、債務整理の仕組みや依頼先を選ぶポイント、債務整理の費用相場、債務整理の費用を抑えるコツを知ることができます。

債務整理とは何か

債務整理を検討している人でも、具体的な内容を知らない場合もあるでしょう。
ここでは、債務整理の仕組みや種類について説明します。

債務整理の仕組み

債務整理とは、借金の減額、支払方法や支払期間の変更などで、法的に借金問題を解決することです。
特に、個人の借金問題解決のための法的手段が、債務整理と呼ばれています。
借金で返済に苦しんでいる場合は、債務整理を行うことで借金生活から解放されます。
債務整理の手続きによって、通常の日常生活を維持したまま返済を続けたり、支払が免除になったりするのです。
日本では、債務整理で解決できない借金問題は存在しません。
債務整理によって、毎年10万人以上が借金問題を解決しているのです。

債務整理は自分で行うこともできますが、手続きが複雑なため弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。
弁護士と司法書士だけしか、債務整理の手続きを代理で業務として行うことはできません。
そのため、債務整理の依頼先は弁護士事務所や司法書士事務所などになります。
弁護士や司法書士に相談すると、借金を返済できない、残高が減っていかないなどといった悩みや状況に応じて返済方法を選ぶことが可能です。

債務整理をするべき明確な基準はありませんが、「借入額が年収の3分の1以上になった」「複数の金融機関から借りて借金を返済する自転車操業状態になった」「毎月の返済が苦しく遅れがち」「毎月の返済を続けても残高がなかなか減らない」などの状況がタイミングになります。
債務整理を弁護士や司法書士に依頼すると、「業者からの催促や取り立てがストップする」「受任後からの利息をカットできる」「返済計画のアドバイスをしてくれる」「最適な債務整理の方法を提案してくれる」「債務整理の手続きを一任できる」などのメリットがあります。

債務整理をすると信用情報に事故情報が残るため、一定の期間は新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることはできません。
しかし、借金の返済で生活が苦しい場合は、それ以上借金を増やさず債務整理を検討したほうがよいでしょう。
債務整理の場合、会社や家族など周囲に知られないか不安に思う人も多いものです。
自分で手続きを行う場合は、金融機関との連絡や裁判所とのやり取りなどで、周囲に知られるリスクもあります。
どうしても周囲に知られずに債務整理をするためには、弁護士や司法書士に依頼するとよいでしょう。
金融機関や裁判所とのやり取りはすべて弁護士や司法書士が代理で行うため、周囲に知られる心配はありません。
弁護士や司法書士には守秘義務があるため、債務整理についての情報が依頼人以外に漏れることはないのです。

債務整理をすると、自分以外の家族にも悪影響を及ぼすのではという疑問を持っている人もいます。
債務整理はあくまで個人についての手続なので、それによって家族がローンを組めなくなったり、クレジットカードを作れなくなったりすることはありません。

債務整理の種類

債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」という4つの種類があります。
任意整理とは、借金の減額や金利の引き直しなどを貸金業者と交渉し、毎月の返済金額を少なくすることで、通常の生活ができる範囲内で返済を続けることができるようにする手続きです。
任意整理では、取引を開始したときにさかのぼって利息制限法の上限金利である15~20%の金利に引き下げて再計算し、借金の総額を減らします。
そのうえで、原則として金利をカットし、元本のみを3年程度の分割で返済できるよう貸金業者と和解するための手続きです。
任意整理をする際に、過払い金が発生していることもあり、その場合は過払い金返還請求をすることができます。

個人再生とは、借金の返済が困難である状況を裁判所に申請し、減額された借金を3~5年の分割で返済していくための手続きです。
個人再生を利用できるのは、「住宅ローンを除く借金の総額が、5000万円以下の人」「返済不能となるおそれがある人」「継続して収入を得る見込みがある人」になります。
個人再生をした場合、返済額が10分の1まで減額されることもあります。
個人再生は、住宅などの財産を手放す必要がなく、特定の職業についての資格制限もないことが特徴です。

自己破産とは、財産が無く支払いができない場合に裁判所に申請することで、借金の返済義務が免除されることです。
住宅や車などの高価な財産は手放す必要がありますが、自己破産した後の収入は生活費として使うことができます。
また、戸籍に自己破産の記録が残ったり、会社を解雇されたり、就職が困難になったりするということはありません。
保証人になっていない限り、家族に返済義務が生じることもないのです。

特定調停とは債務者の申し立てにより、簡易裁判所が債務者と債権者の話し合いを仲裁し、返済条件の軽減などで双方が合意するように働きかけ、債務者が借金を整理することです。
特定調停でも任意整理と同じく、引き直し計算をして減額された元金をもとに分割で返済することになります。
ただし、債権者が特定調停に協力的でない場合もあり、調停成立までの遅延損害金や成立後の利息を支払わなければならないケースもあります。
特定調停を利用できるのは、「減額後の借金が3年程度で返済できる金額の人」「継続して収入を得る見込みがある人」です。

過払い請求という、債権者に払いすぎたお金を請求し、返還請求する制度もあります。
消費者金融やクレジット会社は、民事上は無効ですが刑事罰の対象にはならないグレーゾーン金利という利息制限法の上限を超えた利息を取っていた時期があるのです。
そのため、長期間、借金の返済を続けている場合は、過払い金が発生している可能性があります。
過払い請求によって、借金の完済や減額が可能です。
過払い金が発生している可能性が高いのは、「2010年6月17日以前に借入を開始した人」「借金を完済してから10年以内の人」です。
多くの弁護士事務所や司法書士事務所では、無料で過払い金が発生しているかどうかの診断を行っているので、当てはまる可能性のある人は診断を受けてみるとよいでしょう。

債務整理の依頼先を選ぶポイント

債務整理を検討しているけれど、何を基準に依頼先を選んだらよいのかわからないといったこともあるでしょう。
ここでは、「費用が高すぎないこと」「実績や専門知識があること」「自宅や職場から通いやすいこと」の依頼先を選ぶ3つのポイントについて説明します。

費用が高すぎない

司法書士会や弁護士会の「報酬基準」が撤廃され、債務整理の手続きによる報酬は、弁護士事務所や司法書士事務所がそれぞれ自由に決定することができます。
しかし、報酬の適正な相場があるので、相場と比べてあまりにも高額な場合は依頼しないようにしましょう。

日本司法書士会連合会は、「債務整理事件における報酬に関する指針」で、任意整理と過払い請求の報酬において、上限を設けています。
この指針の第5条で、「任意整理事件を受任したときは、定額報酬として債権者一人当たり5万円を超える額を請求し、又は受領してはならない。
」と規定しているのです。
つまり、任意整理の場合、1件5万円以内の報酬額が適当だということになります。
また、報酬額が高すぎて払えない場合は、借金問題を解決することができなくなってしまうため、報酬が自分の払えそうな額なのかどうか検討してから事務所を選ぶようにしましょう。

実績や専門知識がある

弁護士や司法書士は関わることができる分野が幅広いため、債務整理を専門としていない場合もあります。
相談した弁護士や司法書士が、債務整理に関する知識や実績がないこともあるのです。
そのような事務所に依頼してしまうと、納得のいく解決に至らないこともあるので注意が必要です。

借金問題を迅速に解決してもらうためには、債務整理を専門として扱っていて、多くの事例に取り組んでいる弁護士事務所や司法書士事務所を選ぶようにしましょう。
弁護士や司法書士のホームページなどをチェックすることで、債務整理に強みがあるのかどうかを調べることができます。

自宅や職場から通いやすい

任意整理や過払い金請求の場合は、弁護士事務所や司法書士事務所に通うのは1回で済むことが多いのですが、自己破産や個人再生の場合は、3~4回程度通う必要があります。
事務所へ通うための交通費などの負担が大きくなるため、できるだけ自宅や職場から通いやすい事務所を選ぶようにしましょう。

債務整理を依頼するにあたっての弁護士と司法書士の違い

債務整理を依頼するにあたって、弁護士と司法書士どちらを選んだらよいのかわからない場合も多いでしょう。
弁護士と司法書士の違いについて、弁護士と司法書士の業務内容、弁護士費用と司法書士費用について説明します。

弁護士と司法書士の業務内容

弁護士は債務額に関係なく債務整理の手続きで代理人を務めることができるため、債務額がいくらであっても依頼することができます。
認定司法書士が債務整理を行うことは可能ですが、個別の債務や過払い金が140万円を超える案件については行うことができません。
また、弁護士の訴訟代理権は最高裁判所までですが、司法書士の訴訟代理権は簡易裁判所のみになっています。
司法書士では対応できる案件に制限があるため、依頼する前に確認する必要があります。

弁護士費用と司法書士費用

弁護士や司法書士に債務整理を依頼する場合は、着手金と報酬金が必要になります。
司法書士の場合の着手金は、債務整理の種類によって大きく異なりますが、2~20万円程度が相場です。
弁護士の場合は司法書士より若干割高になり、おおよそ司法書士の1.5~2倍程度が相場になります。
報酬額の相場も、債務整理の種類によって大きく異なり、弁護士、司法書士どちらも2~50万円程度です。
相談料は、どちらも1万円程度で、無料の場合もあります。

債務整理の費用相場

債務整理を弁護士や司法書士に依頼したときの費用相場を、任意整理、個人再生、自己破産、特定調停のそれぞれの場合について説明します。

任意整理の場合

弁護士や司法書士に任意整理を依頼する場合は、相談料は無料の場合もありますが、5000~1万円程度が相場です。
着手金は2~5万円程度、報酬金は減額できた金額の10%程度が相場になっています。

個人再生の場合

弁護士や司法書士に個人再生を依頼する場合は、着手金は30万円程度、報酬金は30~40万円程度が相場です。
その他に裁判所への収入印紙代1万円程度や個人再生員会への報酬15万円程度がかかります。

自己破産の場合

弁護士や司法書士に自己破産を依頼する場合は、着手金は20~40万円程度、報酬も20~40万円程度が相場です。
その他、裁判所への手続き費用として、収入印紙代1万円程度や予納金が必要になります。
予納金は、全く財産がない場合は同時廃止手続きとして30万円程度、ある程度財産がある場合は管財事件として70万円程度、財産はあるが少ない場合は少額管財として50万円程度が必要です。

特定調停の場合

特定調停の場合は、弁護士や司法書士に依頼することもできますが、個人で特定調停を申し立てることもできます。
個人で申し立てる場合は、500円の収入印紙と書類を送付する切手代420円のみの費用です。
弁護士に依頼する場合は、10~30万円程度の費用がかかります。

債務整理の費用を抑えるコツ

債務整理の費用を抑えるために、「分割払いや後払いを利用する」「無料相談を活用する」「法テラスを利用する」の3つのコツについて説明します。

分割払いや後払いを活用する

債務整理をしたいけれど、すぐに費用を工面することが難しい場合は、分割払いや後払いをするという手段があります。
ほとんどの場合、着手金は依頼時に一括で支払わなければなりませんが、報酬金は分割払いや後払いを利用することが可能です。

無料相談を活用する

多くの弁護士事務所や司法書士事務所では、債務整理の無料相談に応じています。
弁護士や司法書士に相談することで、債務整理をすべきかどうか、債務整理をした後の返済方法などのアドバイスを受けることができるので、状況に応じた借金問題の解決策をみつけることが可能です。

法テラスを利用する

法テラスは、国が設立した機関で正式名称は「日本司法支援センター」です。
法テラスには、無料相談の他にも民事法律扶助というサービスがあり、弁護士費用の立て替えを行っています。
法テラスを利用して任意整理をした場合は、報酬金は発生しないため、費用を抑えることが可能です。
個人再生や自己破産をした場合も、相場より費用が安くなるというメリットがあります。

債務整理の仕組みを理解して借金問題を解決しよう

借金問題で困っていても、日本には債務整理という借金を解決するための法制度があります。
債務整理の仕組みを理解すれば、費用を抑えて借金問題を解消することができるのです。
債務整理をするときには、専門の知識や豊富な経験のある弁護士や司法書士に依頼することが大事です。
少しでも早く借金問題を解決するためには、弁護士や司法書士に相談して自分に合った債務整理を選ぶことが最善の解決策になるでしょう。

どれくらい戻ってくるのか?