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自己破産の期間はどれくらい?種類別に紹介

自己破産を検討している場合、申立にかかる期間がどれくらいなのか気になる人は多いのではないでしょうか。

特に、借金の取り立てがどの段階で停止されるのかということは生活の立て直しにも関わってくる問題のため、明確に時期を知っておきたいと思われるかもしれません。

今回は、取り立ての停止時期や申立までにかかる時間、ブラックリストに載っている期間等、様々な面でかかる時間についてご説明します。


借金の取り立ては比較的すぐに停止される

自己破産を検討している場合はまず専門家に相談をすることになると思います。
司法書士や弁護士がその専門家に該当しますが、面談の結果自己破産の必要があるとわかり正式に受任をした段階で、貸金業者に受任通知が送られます。
この段階で、一旦借金の取り立ては停止されます。

正式に借金の支払い義務がなくなるかどうかは今後の申立の結果によることになりますが、この時点で督促を受けずにすむようになるため、専門家への相談は早い方がいいでしょう。

結果的に自己破産が出来ないという判断になったとしても、支払いが停止している間に積立を行うなどして生活の立て直しのための手段がいくつか出来ているかもしれません。

自己破産申立までにかかる期間

自己破産をする際には、専門家へ相談した後に必要な書類を集めたり、費用の積立を行ったりする時間が必要となります。
これは人によって異なるため、一概にどれくらいの期間とは言えませんが、およそ2ヶ月~半年程度と考えられます。
ただ、書類の収集や積立に時間がかかってしまう場合は1年程度の期間が必要となることもあります。
専門家との相談の日程をスムーズに取れるか、書類の収集を素早く行えるか、積立を滞りなく行えるかなど、様々な要因はありますが早く自己破産の申立を行いたいという場合には手早く準備を整える必要があります。

申立までにはどんな手続が必要?

まずは専門家へ依頼することになりますが、その際必要な書類を集めるようにと言われます。
この書類が非常に多く、人によっては申立までに時間がかかることもあり得ます。

では、どのような書類が必要なのでしょうか?

●住民票

●戸籍謄本

本籍の照合のために必要となります。
本人申立の場合には必須です。
ただし、弁護士に依頼した場合には不要となります。

●給与明細書など収入がわかる資料

最低でも2ヶ月分が必要です

●預金通帳のコピー

2年分が必要です。
オンラインのみで管理していて2年分が用意出来ないという場合には、銀行の窓口に行くと有料にはなりますが過去のデータを引き出してもらえます。

●家計簿

所定の書式で記入したもの2ヶ月分が必要です。
つけていない場合は、積立期間中につければ問題ありません。

●債権者名簿

漏れがないよう信用情報機関から情報を請求して債権者を一覧化します。
専門家に作ってもらう方が確実です。
ここから漏れた債権者へは自己破産しても支払いを行わなければならないため、慎重に作成しましょう。

●源泉徴収票・課税(非課税)証明書

●居住地がわかる資料

賃貸借契約書や居住証明書などです

●資産関係がわかる資料

車や不動産の査定証明書、車検証などが含まれます

●退職金規程

●保険の解約返戻金が分かる資料

今解約したらどれくらいの資産になるかがわかるようなもの(解約返戻金残高証明書等)が必要です

そのほか、裁判所、申立後は破産管財人(管財事件の場合)から指示される書類があればすべて提出します。
上記の内容を見てもわかるように、これだけの資料を収集することは労力を要しますので、どうしても時間がかかってしまうものと考えてください。

申立当日にかかる時間

申立の当日は、さほど時間はかかりません。
必要書類を収集し終え、破産・免責申立書の作成も終えたら、裁判所への申立を行います。
およそ30分程度でチェックは終わりますが、足りない書類があった場合には「追完」といって追加での提出を求められることとなります。
その書類が揃わない限りはこの先の手続に進むことは出来ません。

無事に追完出来るか、追完の必要がなくスムーズに申立が進んだ場合、いよいよ自己破産に向けた手続が開始されます。

自己破産には「同時廃止」と「管財事件」がある

無事に自己破産の申立が受理されると手続が開始されますが、自己破産の申立者の財産状況や生活状況、借金の経緯などにより「同時廃止」と「個人管財」のいずれかに分類されます。

同時廃止とは破産手続を進めるために必要な額のお金や財産が破産者にないと判断された場合に適用されます。
破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定を行い、破産手続は即座に終了します。
自己破産を考えている人は換金出来るような財産を持っていない場合が多いため、6~7割は同時廃止になると言われています。

対して個人管財というのは、個人事業者の場合、不動産を所有している場合、個人債権者のある場合、免責不許可事由がある場合、一定額以上の資産を持っている場合など、破産手続を進めるために必要な額のお金や財産があったりする場合に起こります。
破産管財人が資産を細かに確認し、換金出来るものは換金して債権者に平等に分配するのです。
これにより、債権者はわずかでも債権を回収できることになります。

同時廃止になるか個人管財になるかは、申立者本人にも専門家にも決めることは出来ません。
いずれも裁判所が判断することになります。

同時廃止の場合にかかる期間は?

これもおおよその期間にはなりますが、同時廃止の場合は申立から3~5ヶ月くらいの時間がかかります。
弁護士による申立ではなく本人申立の場合には、開始決定までに債務者審問があるため更に1~2ヶ月かかり、およそ半年ほどの期間が必要となります。

申立から免責許可決定確定までにかかる期間がおよそこれくらいではありますが、その内訳も確認していきましょう。

破産手続開始決定まで

破産申立が受理されると債務者審問が行われます。
債務者審問とは、裁判官が債務者本人に破産というのがどういうものなのか理解しているのかを訊ねる面談です。
自己破産が決定すれば、債務者は借金の支払い義務がなくなり、生活の立て直しが出来るようになります。
しかし一方で、債権者の債権ほとんど回収出来ず、不利益を被ることとなります。

この債務者審問が終了すると無事に破産手続開始決定がされることになりますが、面談の日程を組まなければならないこともあり、本人申立の場合には申立の受理から破産手続開始決定までで1ヶ月ほどかかります。
万一債務者審問が一度で終わらなかった場合には、2ヶ月、3ヶ月と時間がかかることになります。

弁護士に依頼している場合には債務者審問も即日面談となることも多く、何度も足を運ぶ必要もないため開始決定も即日出る場合があります。

同時廃止の場合は、破産手続開始決定が出ると同時に破産手続廃止決定もされます。

同時廃止決定から免責許可決定まで

破産手続開始決定と廃止決定は同時に行われますが、その後2~4ヶ月後くらいに免責審尋が行われ、免責許可決定が出ることになります。

免責というのは法律上の支払い義務を免除して、債務者の経済的な立ち直りを助ける手続です。
免責審尋の期日は別途決められ、日程が決まるとその日に裁判所に出頭して免責審尋が行われるという手順です。

免責許可決定から免責許可決定確定まで

まず、免責審尋から1週間程度で免責許可決定がおります。
しかし、この時点ではまだ免責は確定していません。

免責許可決定が出てからしばらくすると、官報にその旨が掲載されます。
そしてその掲載から2週間ほど経過すると、免責許可決定が確定して無事に免責されるという流れです。

個人管財の場合

個人管財の場合は、申立の受理から4ヶ月~1年くらいの期間でようやく免責許可決定の確定までたどり着くことが出来ます。
途中で開かれる債権者集会が何回あるかによって異なるため期間に大きな開きがあります。

また、本人申立の場合は債務者審問があるため、半年~1年くらいの時間がかかります。
では、こちらもその内訳を確認していきましょう。

破産手続開始決定まで

破産手続の開始決定がなされるまでの流れは同時廃止の場合と同じです。
期間についてもほとんど違いはなく、弁護士による申立の場合は即日面談になり開始決定が下される場合があるというのも同じです。

一般的には破産手続開始決定の後に管財人と面談することになりますが、開始決定の前に管財人との面談がある場合もあります。
これはケースバイケースで、必ずこうなると言えるものではありません。
ただ、当然ではありますが面談の回数が増えるほど時間がかかることになり、必然的に期間も延びていきます。

破産手続開始決定から免責許可決定まで

破産手続開始決定が出ると、それから2~3ヶ月後に債権者集会が開かれます。
債権者集会の前には破産管財人との面談が行われるため、その回数によってはもう少しかかる場合もあるかもしれません。
面談を省略することは出来ないため、ここを短縮することは難しいでしょう。
この際、債権者に配当出来る資産がないと判断された場合には配当をしないで破産手続を終了する決定をすることがあります。
これを「異時廃止決定」といい、個人管財は終了します。
また、免責不許可事由に該当して管財事件となった場合でも裁量免責が認められるケースもあります。

破産管財人との面談が終了し、債権者集会も終了すると、その後1週間ほどで免責許可決定が出ます。
ただし、この債権者集会も1度で終わらず何度も開催される場合もあり、その場合は2~3ヶ月かかることになります。

免責許可決定から免責許可決定確定まで

免責許可決定となった後も、すぐに確定するわけではありません。
免責許可決定の後、その旨が官報に掲載されます。
官報に掲載されてから2週間ほど経過すると免責許可決定確定となり、以降は借金の支払い義務から免れるという流れになります。

自己破産でブラックリストに載る期間は?

自己破産を含む債務整理をすると、信用情報にその旨が記載されます。
これがいわゆる「ブラックリスト」と呼ばれるもので、自己破産の旨が記載されている場合には貸金業者からの借入が出来なかったり、クレジットカードを持つことが出来なかったりと様々な影響を受けることになります。
当然ブラックリストに載っていない方が良いですが、この事故情報はいつ削除されるのでしょうか?
日本には3つの「日本信用情報機構(JICC)」「シー・アイ・シー(CIC)」「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」信用情報機関があります。
それぞれの信用情報機関によって、また債務整理の方法によって掲載期間が異なるため、それぞれ分けて見ていきましょう。

自己破産の場合

JICC:登録から5年間
CIC:契約終了から5年間(遅くても免責許可決定確定の時点では掲載されています)
KSC:破産手続開始決定から10年間

個人再生の場合

JICC:登録から5年間
CIC:掲載されない。
ただし、代位弁済や個人再生前に滞納で異動になっていれば契約終了から5年間掲載される。

KSC:個人再生の開始決定から10年間

任意整理の場合

JICC:登録から5年間
CIC:掲載されない。
ただし、代位弁済や任意整理前に滞納で異動になっていれば契約終了から5年間掲載される。

KSC:掲載されない。
ただし、代位弁済がある場合には契約終了から5年間掲載される。

▼それぞれ掲載開始の時期も異なり、明確に何月何日までと計算することが難しいため、各機関に情報開示を行って記載の有無を確認すると確実です。

自己破産による職業制限を受ける期間

自己破産すると、一部の職業では職業制限を受けることになり、制限期間中は就労することが難しくなります。
その期間は破産手続開始決定の日から免責許可決定確定の日までとなります。
そのため、職業制限を受けている期間もその人によって異なります。
また、同時廃止か個人管財かによっても期間は異なってきます。

おわりに

自己破産に関わる期間について様々な角度で確認してきましたが、自己破産の申立から免責許可決定確定までにかかる期間に関しては「人による」というところも多くあります。
積極的に書類の収集や面談での受け答えに協力することによってスムーズに進行し、結果として期間を短くすることが出来ます。
自分の努力で期間を短くすることが出来ないのは信用情報機関に掲載されている期間くらいです。
できるだけ短期間で終了させるためには、後回しにしようとせずに自ら積極的に動くようにすると良いでしょう。

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