メニュー

過払い金はいくら出る? 自分で計算する方法と注意ポイント

払い過ぎたむかしの借金、過払い金として戻ってくるのはどれくらい?
その額を算定するための「引き直し計算」は、事務所任せにせずともご自身でも簡単にできます。
正式依頼の前に、「どのくらい発生するのか確かめたい!」という方は、無料の計算ツールを使って調べてみましょう。
こちらでは、過払い金の計算を自分でする方法とその際の注意ポイント、計算の流れ、また事務所に任せる場合の注意点もあわせてご説明します。

過払い金は自分で計算もおすすめ?

「引き直し計算」と聞くといかにも難易度が高そうな作業に思えますが、これは個人でも十分対応は可能です。
インターネットで検索すれば、過払い金の計算方法を紹介するサイトは無数にありますし、簡易的な計算ツールも無料で出回っています。
まずはご自身で過払い金の発生額を確認したうえで、回収交渉してくれる事務所を探すという方法もおすすめです。
過払い金のセルフ計算は、特に次のようなケースのリスク回避に役立ちます。

返済中の場合、債務整理を回避できる

まだ借金を返し終わっていない段階で過払い金請求する際、注意したいのは、債務整理になってブラックリスト入りするリスクです。
過払い金で残債を完全相殺できれば問題ないのですが、かりに借金が残ってしまうような状況を招いたとき、債務整理情報として信用情報機関に記載されます。
この結果はクレジットカードやカードローン、各種ローンサービスのご利用を考えている方にとって好ましくありません。
それを防ぐためにも、最初に過払い金の正確な額を確かめてから依頼するほうが安心というものです。
ご自身で過払い金計算をしてみて、過払いになるのであれば、事務所に依頼して請求手続きを取ってもらうとよいでしょう。
債務整理になるようだったら、請求はひとまず延期して完済に力を注ぐ、という方法もありです。
なかには、過払い金の計算をする前にいきなり受任通知を業者に送るような、債務整理リスクを高めることをする事務所もあります。
そのような無用なトラブルを防止するという意味でも、セルフ計算にはメリットがあります。

少額だとわざわざ請求する必要なし?

過払い金が出そう、ということではりきって請求を事務所にお願いしたところ、計算結果の額は思ったよりも少額だった、などの例もあります。
あまりにも少額だと、事務所へ支払う報酬との差し引きでほとんど手元に残らないかもしれません。
過払い金額が5万円にも満たない場合、依頼を断る事務所も多く、そうなると事務所探しに費やした時間も無駄になってしまいます。
事前計算で過払い金額を正確に把握しておけば、「少額だからわざわざ依頼するまでもないかな」と合理的な判断もしやすくなるでしょう。

自分で計算する場合は、ここに注意!

引き直し計算をご自身でする場合は、次の点に注意してください。

利息返還も望むなら計算を忘れずに

過払い金には、年利5%の利息が付されます。
「利息まではいい」というのなら話は別ですが、パーフェクト返還を希望するなら利息まで加味して計算処理しなければなりません。
利息が発生するのは、過払い金が発生した時期から返還請求手続きに入った年までの期間。
引き直し計算ツールで処理すると、過払い金が発生した取引欄は「-」が数字の頭に表示されます。
このマイナス表示がはじまった年が過払い金発生時期のスタートであり、年利5%の利息が付きはじめます。

時効取引があっても直後に契約していれば一連取引に

完済から10年経過した取引は、上限金利以上の利息を払っていても時効になるため、過払い金は返還されません。
ただし、しばらくしてから再契約した場合、完済取引と再取引は一連と見なされるケースもあります。
一連取引が認められない場合、いわゆる「取引の分断」となるわけですが、一連となるかならないかは裁判で争ってみないと分からないため、計算では完済取引の分まで計算することが大切です。

自分で過払い金を計算する方法

過払い金の計算で必要なものは、次の2点。

● 取引履歴
● 引き直し計算ツール

取引履歴の取り寄せは、ご自身でも可能です。
業者の窓口に電話して送付してもらってください。
なかには店舗受け取りできるところもあります。
インターネット上にはさまざまな引き直し計算ツールがありますので、ご自身にあうタイプをダウンロードして使いましょう。

まずは対象のチェック

計算する前に、まずは過払い金対象かどうかのチェックを忘れずに。
対象外だったら、取引履歴の取り寄せも無駄に終わってしまいます。
過払い金発生の条件「利息制限法の上限金利を超えた利息での借入」「キャッシングサービスの利用」のふたつを満たす必要があります。
銀行カードローンやクレジットカードのショッピングリボは、いくら借金総額が高くても過払い金の対象外ですので区別をつけるようにしてください。
参考までに、主な消費者金融・クレジットカードの過払い金対象期間および改定前金利を以下の表で記します。

過払い金対象期間 改定前金利
アコム 2007年6月17日まで 27.375%
プロミス 2007年12月18日まで 25.55%
レイク 2007年12月1日まで 29.2%
アイフル 2007年7月31日まで 28.835%
エポス 2007年3月15日まで 27%
ゼロファースト 2007年4月15日まで 27%
セゾン 2007年7月13日まで 24%
セディナ(OMC) 2007年9月1日まで 28.8%
オリコ 2007年3月まで? 27.6%

既存顧客の金利改定のタイミングは、消費者金融とクレジットカードで異なります。
消費者金融の場合、改定以降も上限金利を超える利息で貸付が行われた可能性が高く、正式な改定のタイミングは取引履歴で確認しないと分かりません。
クレジットカードの場合、新規・既存に関係なく、すべての顧客は改定と同時に金利が引き下られています。
そのため、改定直前にクレジットカードを申し込んだ方は、過払い金発生額が極めて少額となる可能性に留意してください。

計算は無料ソフトを活用

引き直し計算ソフトはインターネット上に無数に存在するため、入手も比較的簡単です。
数あるなかでもおすすめは、司法書士が開発した「外山式」と呼ばれる無料計算ソフトです。
簡単なエクセル入力だけで瞬時に過払い金額を算定できる優れもので、もっともポピュラーな無料ツールといってよいでしょう。
そのほか、弁護士団体の名古屋消費者信用問題研究会が開発した「名古屋式」も使いやすいことで有名です。
いずれのタイプも精度が高く、過払い金額を正確に計算できるため、必要時に活用してください。

取引履歴の見方

過払い金が確実に出ると判明したうえで、取引履歴と計算ツールをそろえたら、次はいよいよ引き直し計算です。
まず、取引履歴の見方ですが、次のような情報が記載されています。

●  取引開始日
●  現在の残高
●  契約利率
●  契約期間
●  最終取引日

残高欄は、完済している方は「0円」と表示。
返済中の方は履歴取得時の残高が表示されます。
過払い金額を算出するには、約定金利(契約時の利息)を法定利息(15~20%)に再計算する必要があります。
取引履歴の記載内容「お取引日」「貸付」「入金」にしたがい、日付と借入金額・日付と返済金額を入力。
法定利息で再計算し、マイナスとなった額が過払い金額です。
基本的には数字を入力するのみで、あとはシステムが自動計算します。
なお、取引履歴の書式は業者ごとに差異があるため、下段で業者別見方について詳しくご説明します。

業者別で異なる取引履歴の見方・計算のポイント

アコム

アコムで過払い金が出る方は、取引履歴の「正常利率・遅延利率」という項目が、27.375%(29.200%)になっているはずですので、まずはここをチェックしてください。
アコム過払い金計算で必要となる情報は、主に「お取引日」「貸付時のお取引金額」「入金時のお取引金額」です。
お取引日が「H170901」、方法区分が「貸付」、お取引金額が「30,000」であれば、平成17年(2005年)9月1日に30,000円の借入をしたということです。
また、お取引日が「H171004」、方法区分が「入金」、お取引金額が「10,000」であれば、平成17年10月4日に返済した記録になります。
基本的には借入金額と返済金額をエクセルシートの所定欄に入力していくだけの単純作業で、あとは自動的にシステムが計算します。
アコム取引履歴を閲覧する際は、次の点に注意してください。

● 全体的に文字が小さく、誤入力に気をつけながら計算する
● 取引日と支払い期限を混同しないこと
● 取引途中の区分欄に「解約」とあれば分断の可能性に注意

プロミス

プロミス取引履歴は、アコムと比べ行間にゆとりがあり、比較的見やすい仕様です。
プロミスで過払い金が発生する場合、取引履歴の最後の記載欄の「正常利率部分」が25.55%になっているはずで、かりに18%以下の場合過払い金は発生しません。

プロミス過払い金計算で必要な情報は、「取引日」「出金額」「入金額」の3点。

取引日が「H13/01/31」、出金額が「100,000」という記載であれば、平成13年(2001年)1月31日に100,000円借り入れたという記録です。
取引日が「H13/03/07」、入金額が「4,000円」という記載であれば、平成13年3月7日に4,000円を返済したことを意味します。
取引開始日からの出金額と入金額をエクセルシートに入力すると、自動的に過払い金額が算出されます。
プロミス取引履歴を閲覧する際は、次の点に注意してください。

● 旧三洋信販分の履歴はプロミスと書式が異なる
● 契約時の利率は最後の欄に記載があるため、見落としに要注意

レイク

レイクも、貸付と入金が日付順に並び全体的に見やすい仕様です。
レイクで過払い金が発生する方は、取引履歴の「約定利率部分」が29.2%になっている方です。
レイク過払い金計算では、「取引日」「取引内容(貸付・入金)」「取引金額」の3点を見ます。
取引内容が「貸付」、取引日が「20030710」、取引金額が「30,000」との記載なら、2003年(平成15年)7月10日に30,000円を借入したことを意味します。
取引内容が「入金」、取引日が「20030731」、取引金額が「5,000」との記載なら、2003年7月31日に5,000円を返済したという記録になります。
借りた金額と返済した金額を、日付順にエクセルシートの所定欄に入力するだけで計算完了です。
なお、レイクは1993年以降の取引記録のみ開示しているため、それ以前の過払い金額の算定は複雑な計算を要します。
「推定計算」もしくは「ゼロ計算」が必要になってくるため、専門家への依頼がベストです。

アイフル

アイフルの取引履歴は、全体的にクリーンで見やすいのが特徴です。
アイフルで過払い金が発生する方は、約定利率部分が28.835%の方です。
アイフル過払い金計算で必要となる情報は、「貸付日・入金日」「貸付金額」「入金額」の3点。
貸付日・入金日が「H14/11/01」、貸付金が「30,0000」という記載であれば、平成14年(2002年)11月1日に300,000円借入したという意味です。
また、貸付日・入金日が「H14/12/01」、入金額が「13,238」という記載なら、平成14年12月1日に13,238円を返済したという意味です。
基本的に借入額と返済額を日付順に入力していけば、あとは自動システムで正確な過払い金額が算出されます。

セゾン

セゾンで過払い金が発生するのは、正常利率部分が24%と記載されている方です。
セゾン過払い金計算で必要な情報は、「年月日」「利用額」「金額・元金減少額」の3点です。
年月日が「1997/07/26」、利用額が「30,000」という記載なら、1997年(平成9年)7月26日に30,000円借入したという意味です。
また、年月日が「1997/09/04」、金額・元金減少額が「2,562、7,438」という記載なら、1997年9月4日10,000円(2,562+7,438)の返済をしたという意味になります。
「金額」と「元金減少額」の合算額が返済額となる点に注意が必要です。
この点を押さえたうえで、エクセルシートの所定項目に貸付金額と返済額を入力してください。

イオン

イオンの取引履歴は、貸付金額と入金額がきちんと区分けされているため、見やすい書式です。
イオンの過払い金計算では、「取引年月日」「貸付金額」「入金額」の情報が必要です。
取引履歴にある取引年月日が「2000/11/24」、貸付金額が「100,000」との記載であれば、2000年(平成12年)11月24日に100,000円の借入をしたという意味。
また、取引年月日が「2001/01/04」、入金額が「102,735」との記載であれば、2001年(平成13年)1月4日に102,735円返済したことになります。
イオンの場合、取引履歴を請求すると過払い金額を計算した履歴書類を送ってくれるため、元金の計算をする必要はありません。
ただし、計算されているのは過払い金元金のみで、利息は別途計算が必要です。

エポス

エポスの取引履歴は、貸付金額や返済金額がきれいに整理され、全体的に見やすいのが特徴。
エポスの場合、平成9年以前の取引記録を破棄した関係で、開示されるのはそれ以降の取引履歴となります。
エポス過払い金計算で必要となる情報は、「年月日」「貸付金額」「返済金額」の3点。
年月日が「H12.10.14」、貸付金額が「50,000」という記載であれば、平成12年(2000年)10月14日に50,000円を借り入れたことになります。
また、年月日が「H12.12.4」、返済金額が「6,700」という記載であれば、平成12年12月4日に6,700円を返済したという記録です。
エポスの取引履歴は以前、個人請求者向けの取引履歴の書式は複雑なことで知られていましたが、2016年以降はシンプルで見やすい書式に変わったようです。
ただし、過払い金と関係のないショッピング利用分も記載されることがあるため、過払い金計算時はキャッシング部分に必要な情報のみ入力してください。

ニコス

ニコスもイオン同様、過払い金元金を計算した取引履歴を送付してくれます。
「債権届出書」という書類の上段に、マイナス表示された金額の記載があり、その数字がいわゆる過払い金の元本額です。
ただし、利息は加味されていないため、利息返還を希望する場合は別途計算が必要です。
ニコス過払い金計算で必要となる情報は、「年月日」「貸付金」「入金額」の3点。
年月日が「9.11.26」、貸付金が「30,000」との記載があれば、平成9年(1997年)11月26日に30,000円を借入したことを意味します。
また、年月日が「9.12.29」、入金額が「51,231」との記載なら、平成9年12月29日に51,231円の返済があったという記録です。
注意点としては、利息は別途計算が必要なこと、取引履歴の保存期間外の記録は開示されない点などが挙げられます。

オリコ

オリコ取引履歴は、借入と返済が別シートという書式のため、非常に見づらいという難点があります。
以下は、オリコ過払い金の計算方法。

● 借入金額⇒ご利用明細にあるご契約日とご利用金額、C区分(キャッシング)を入力
● 返済金額⇒ご入金明細にある合計入金額から費用1と2、SP元金・手数料を差し引いた金額を入力

このように、オリコ過払い金計算は他の業者にない難解さがあります。
計算方法を間違えると過払い金額の正確性を欠き交渉にも影響を与えるため、計算ミスの不安が少しでもおありなら専門家への依頼をおすすめします。

自分でする計算と事務所の計算は何が違う?

これまでの説明のとおり、過払い金の計算は無料ソフトを使えば個人でも決して難しくありません。
ただし、いくら簡単といっても多くの人は不慣れなことが予想され、入力ミスや用語の理解不足で計算間違いをする可能性も十分あります。
取引の分断など、複雑な要素が絡んでくると、さらに間違いをおかすリスクが高まることに。
過払い金計算は事務所に任せるのも無料ですので、「計算ミスしそうで何か不安・・・」という方は、弁護士・司法書士に計算を依頼するのもありです。

過払い金計算は専門家依頼でも無料!

ほとんどの弁護士・司法書士事務所は、引き直し計算を無料で引き受けてくれます。
相手は過払い金請求実務のプロで、これまで膨大な数の計算処理をこなしてきた実績もあるため、安心して任せられるといってよいでしょう。
また、事務所によっては回収見込み額や入金までの見通しについて丁寧に説明するところもあります。
ただし、依頼する際は次の注意点があることを踏まえてください。

個人情報の提供が必須

「請求するかどうかは別として、とりあえず過払い金がどれくらい出るか確かめたい」
引き直し計算は取引履歴なしではできないため、個人情報の提供は避けられません。
取引履歴には、これまでどの業者にいつから・いくら借金したか、毎月どのくらい返済したのか、あるいは延滞の有無、ショッピングの利用歴まで、詳細な情報が記載されています。
もう交渉までお願いすると決めているならともかく、依頼するかどうかも分からない状態で過去の借入履歴をつまびらかにすることに対し、「何となく恥ずかしい」「どこかに漏れることはないの?」と心配になる方もいるかもしれません。
依頼先をどこにするか決まっておらず、とりあえず過払い金額を試算したい方は、自分で取引履歴を取り寄せて無料ツールで計算するほうが何かと安心でしょう。

計算依頼した事務所に交渉も任せる、という流れに

事務所に引き直し計算を依頼したら、その流れで交渉もお願いすることになるでしょう。
であれば、「交渉まで委託できる事務所」を選任しなければなりません。
「過払い金請求なんてどの事務所に依頼しても同じだろう」と思ったら大間違いです。
選んだ事務所がミスなく過払い金を算定した、そこまではいいでしょう。
その額はあくまで「暫定の回収額」で、手元にどれくらい戻ってくるかはその後の交渉にかかっています。
交渉力は事務所によってバラつきがあり、知名度や実績で分かるものではありません。
まして、「計算処理がスムーズ」という結果も、交渉力を測る目安にはなりません。
事務所に交渉力があるかどうかは、ホームページの内容や電話でのヒアリングでしっかり確かめるようにしてください。

引き直し計算代行業者に依頼するのはあり?

過払い金計算の専門家といえば、もうひとつ、引き計算代行業者がいます。
これは過払い金計算の委託業務を専門とする業者で、1社あたり数千円の手数料を支払うことで利用できます。
こちらも引き直し計算に関しては実績のあるプロですので、ミスのない計算処理に期待してよいでしょう。
引き直し計算代行業者への依頼は、次のような方におすすめです。

● とりあえず過払い金がどれくらい出るか知りたい
● お金がかかってもよいので、依頼前に正確な過払い金額を知っておきたい
● とりあえず計算だけしたいが、エクセルを使えないので業者にお願いしたい
● 自力での交渉を考えているが、計算は正確性が大事なので代行業者にお願いしたい

弁護士・司法書士に頼めば無料で引き受けてくれる引き直し計算を、有料の代行業者に委託するのはかなりレアケースだと思われます。
本当に自分での計算で済ませなくてもよいのか、事務所にお願いする以上のメリットがあるかどうか、見極めたうえで判断しましょう。

完済を挟む取引の過払い金計算シミュレーション

特に争点を抱えていないシンプルな取引であれば、自分での計算も難しくないでしょう。
気をつけたいのは、一度完済を挟んで取引がふたつ以上に分かれる「取引の分断」状態にあるとき、です。
前の取引が時効だからといって切り離し、除外して計算すると、過払い金額を自ら減少させてしまいます。
この場合における過払い金計算の注意ポイントについて、取引状況を具体的に想定したうえでシミュレーションしてみましょう。

取引業者 アコム
取引期間 平成6年8月~平成22年10月
※平成14年8月に一度完済

● 第1取引 平成6年(1994年)8月~平成14(2002)年8月
● 第2取引 平成15年(2003年)3月~平成22(2010年)年10月

令和元年(2019年)の10月に請求する場合、計算はどうなる・・・。

アコムの場合、平成19年(2007年)6月18日をもって利息制限法の上限範囲の金利(15~20%)に改定しています。
上記の例でいえば、過払い金発生の対象期間は次のとおり。

平成6年8月~平成14年8月および平成15年3月~平成19年6月17日

ここで考慮を要するのが、時効の問題です。
第1取引を単体の取引と見なせば、すでに時効となり、過払い金請求権利は消滅しています。
しかし、アコムとの契約は第1・第2をひとつとする一連取引と見なされる可能性もあるため、第1も含めて計算します。
第1取引が全体取引の一部と見なされるか時効となるかは、裁判で争ってみないと分からないため、引き直し計算では過払い金が出ることを前提に処理するのが原則です。
ちなみに、過去の判例に照らすと、第1取引が終わって第2取引がはじまるまでの間が1年以内であれば、一連と見なされる可能性が高いようです。
「じゃあ、2年以上も経っていれば計算しても意味ないか」といえば、決してそんなことはありません。
取引の分断については法的なルールなど存在せず、「2年以上だったら切り捨て」ともいえないのです。
空白期間があまりにも長いのは論外ですが、2~3年程度の空白であればとりあえず一連と見なして計算することをおすすめします。

過払い金計算を依頼するなら、事務所選びはしっかりと!

計算方法が分かっても、「やっぱり自分でするのは不安」「忙しくて計算する暇はない」という方もいるでしょう。
そんなときは無理をせず、過払い金請求の専門家である弁護士・司法書士事務所にお願いするのが一番です。
とはいっても、すべての専門家が信頼できるかといえばそうでもありません。
引き直し計算をプロにお任せするからには、「当たり前の作業を当たり前に実行してくれるかどうか」をしっかり見極めることが重要です。
引き直し計算を事務所に依頼するうえで注意したいポイントは、次のふたつ。

● 過払い金利息を計算してくれるか
● 取引が分断しないように計算してくれるか

過払い金利息を計算してくれるか

引き直し計算は、過払い金利息も含めるのが原則。
しかし、事務所のなかには利息を度外視して計算するところもあるので要注意です。
なぜ事務所がこんな手抜きをするかといえば、スピード処理して収益を高めようとする、ビジネス重視の姿勢が強いからでしょう。
過払い金利息の返還は、消費者金融はいうにおよばず、ニコスやセゾン、オリコ、セディナ、イオンといった優良クレジット業者でも消極的です。
利害がぶつかる業者と交渉を通じて少しでも回収額を上げようとするのが、本当のプロというものです。
ところが、それよりも効率重視・売上重視の事務所が少なからず存在するのが現状で、だからこそ専門家選びには慎重を期す必要があるのです。
事務所に依頼したからには、どんな方法で計算したか分かる書類の提示を求めましょう。
無料だからといって遠慮はいりません。
依頼者側が厳しく要求することで、事務所も利息を除外するなどの手抜き処理は難しくなります。

取引が分断しないように計算してくれるか

「専門家に頼めば、もちろん依頼者の有利な方向に計算してくれる」
過払い金業界では、これも幻想に近い。
先述の「取引の分断」をめぐる計算ですが、事務所によっては完済取引を安易に切り離して計算するところもあります。
理由は上段の利息除外と同じで、ビジネス優先で処理を進めたいからです。
過払い金を請求される業者のほうは、支払い額を押さえたいと思うのが当たり前。
ビジネス事務所のほうは、計算も交渉もスピード処理で効率よく売上を伸ばしたいと考える傾向。
業者の思惑は分からなくもないですが、味方であるはずの弁護士や司法書士がそのような考えで交渉に臨むのは困った体質で、依頼者はそのような実態があることを押さえておく必要があります。
テレビCMを使って大々的に名前を宣伝する大手事務所は、往々にしてビジネス色が強く、その体質が過払い金計算にも影響を及ぼすことが考えられます。
そのうえ、交渉もいい加減で済ませる懸念もあるため、ビジネス色の強い大手事務所は最初に選択肢から外すのが賢明です。
取引の分断を認めず一連計算してくれる事務所かどうかは、ホームページの情報公開度、説明の丁寧さや透明性で判断できるでしょう。
そのような事務所は、過払い金計算方法に関する口頭説明はもちろん、どのように計算したかが分かる計算書も提示してくれるので安心です。
引き直し計算は、過払い金請求における最初のステップともいうべき重要作業です。
無料で使える計算ツールはネット上に無数にあり、使い方も簡単。
事前に金額を調査したいとき、大変便利です。
ご自身で計算する際は、取引履歴の書式が業者別で異なること、利息・取引の分断を考慮して計算することなど、いくつかのポイントに注意しながら作業に着手してください。
もちろん、自分で計算するのが難しい場合は無理をせず、誠実に対応してくれる事務所を見つけたうえで依頼しましょう。

どれくらい戻ってくるのか?