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司法書士が深堀!|裁判したせいで借金の秘密がバレたりする?

司法書士が深掘り解説

裁判所を介して業者に回収を迫る方法のほうが、直接話し合う任意交渉より回収額が高くなりやすいメリットがあります。
しかし、そんなメリットがありながら「裁判って、何だか怖い」という不安のため裁判を選ばない人がいるのも事実。
過払い金返還訴訟を起こすことで、どんなリスクや影響があり得るのでしょうか?
今回は、そこのところを現役司法書士の先生にたっぷり解説していただきます。

ご依頼者さま補足情報

直筆体験談

  • 40代
  • 女性
  • パート
  • 埼玉県
  • アコム

今回の体験談に回答していただける司法書士

司法書士:伊藤勝博

裁判したせいで借金の事実が家族や知人にバレるのが怖い

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直筆体験談より引用

テレビや広告などで、良く見聞きしていた過払い金請求。
自分も、もしかしたら、いくらかはあるのかな?と思いながらも、分からない事ばかりだし、司法書士事務所に出向いて、なんだか手続きが面倒なのかな?
裁判とか怖い気がするし、何よりも、何らかの形で、過去に借金していた事が、家族にバレたら困るしな…という不安が一番大きかったです。

裁判と聞くと、何だか怖いイメージがあります。

司法書士
伊藤勝博
「怖い」にもいろいろあると思いますが、お客さまは、裁判の何が「怖い」ですか?

借金のことがバレないか、それが一番不安で・・・

司法書士
伊藤勝博
過払い金請求の裁判を起こしたせいで、過去の借金が家族や周囲にバレないだろうか? ということですね。できれば「バレません!」と言いたいところなのですが、無責任に100%バレないと言い切ることはできないんですね。
私がこのような不安をお持ちのお客さまにアドバイスする場合、まず、「バレるとすれば、どのようなケースがあり得るか?」をお話しします。

もしかするとバレてしまうかもしれないケース、ですか?

司法書士
伊藤勝博
はい、可能性としては限りなく低いのですが、絶対にないとも言い切れないケースです。そのお話を聞いて、「あ、これならバレないな」と感じていただければ、裁判しても大丈夫と思っていただけるかもしれません。

なるほど。

直筆体験談より引用

過払い金の有無の他に、借入をしていた時期などの詳細も分からないけど、大丈夫かな?もし依頼する事になったら、費用は、どのくらいかかるのかな?
裁判などの状況になった場合、周りの人に知られてしまったり、今の生活に支障が出たりしないかな?
クレジットカードが使えなくなったりしないのかな?
とにかく、分からない事だらけで、不安でした。

裁判でバレるケースとは?

過払い金請求×裁判=リスク・影響を具体的に知ってから判断しよう!

司法書士
伊藤勝博
ご存じかもしれませんが、裁判というのは「原則公開されているもの」なんですね。過払い金返還訴訟も例外ではなく、傍聴席で誰でも見学できるようになっています。
また、裁判記録は閲覧することも可能です。

家族や知人に傍聴と記録閲覧される可能性・・・

司法書士
伊藤勝博
あくまでも可能性ですね。
裁判では法廷で名前を呼ばれたり、法廷前の廊下に名前が張り出されたりします。
法廷という開かれた空間では、お客さまの情報を完全に伏せて審理するのは不可能な点を踏まえる必要があります。
これを気にするか気にしないかは、人によると思うんですね。ですので、何も説明せず「大丈夫ですよ、バレませんよ」とは言えません。話を聞いて、それでも「裁判が怖い」「バレる」と感じるかどうかは、お客さまにご判断いただきたいと思います。

あるかもしれないリスクを知って、あとは自分で判断するというわけですね。
参考にします。
他にバレるケースはあるでしょうか?

司法書士
伊藤勝博
業者から連絡が入ってバレたりしないか心配されている方も多くいらっしゃいます。弁護士や司法書士が代理人となった場合、代理人を通して手続きが進んでいくため、裁判中に業者からお客さまへ直接連絡がいくようなことはありません。

業者に代理人がついた場合は?

まれに、消費者金融・クレジットカード会社が、代理人をつけて訴訟に臨む場合もあります。

この場合に懸念される「代理人から依頼者への連絡」ですが、その可能性もほとんどありません。

なぜなら、弁護士は「弁護士職務規定第52条」、司法書士は「司法書士倫理第40条」にてその規定があるからです。

弁護士職務規定第52条

弁護士は、相手方に法令上の資格を有する代理人が選任されたときは、正当な理由なく、その代理人の承諾を得ないで直接相手方と交渉してはならない(相手方本人との直接交渉)

司法書士倫理第40条第2項

司法書士は、受任した事件に関し、相手方に代理人があるときは、特別の事情がない限り、その代理人の了承を得ないで相手方本人と直接交渉してはならない(相手方本人との直接交渉等)

弁護士職務規定

司法書士倫理

過払い金返還の訴訟。リスクは?任意交渉との違いは?

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業者の対応と返還率。「変わらない」とは言えない

過払い金返還訴訟×業者の対応=変化の可能性に注意

過払い金の返還交渉において、業者がどのような対応をしてくるか、返還率がどの程度になるかは、これまでの実績・データからおよその予測は立てられます。

例えば、「アコムの場合、元金100%に加え、利息半額の返還が可能」、「アイフルの場合、訴訟を起こしても簡単に和解に応じず、控訴する可能性もある」といったことは、これまでの事例でわかるわけです。

ただ、これらはあくまで過去の実績・データに基づくものであり、絶対この通りの展開になる、とは断言できません。
「業者の対応が今後変化する可能性」は十分考えられます。

実際プロミスなどは変化が見られ、以前は、裁判をすれば元金満額+利息半額の返還に応じていたのが、今では論点を積極的に持ち出す減額交渉に転じるようになりました。
また、裁判は三審制で、一審で判決が下っても業者は控訴する権利を持っています。

「裁判1回だけして和解」が理想だけど…絶対そうなるとは言い切れない!
控訴されると、裁判所から依頼者宅に通知が…

裁判には争う相手がいて、その相手が法的に有している控訴の権利を、こちらが「絶対にしてこないから大丈夫」と判断することはできません。
私がお客さまと面談する場合は、この点もしっかり説明させていただきます。

もう一つの選択肢・任意交渉。どんなリスクがある?

過払い金返還交渉×裁判を選ばず任意で和解=低い金額設定での交渉に

裁判を望まないのであれば、任意交渉で解決する方法もあります。
ただその場合、どうしても金額面で妥協しなければならなくなる点に注意が必要です。

訴訟和解任意和解
・和解金額は高額になりやすい
・入金は遅くなる傾向

・和解金額は減額されやすい
・入金は早くなる傾向

交渉は相手あってのものなので、相手が「任意ではこれ以上金額を上げられない」と言ってくれば、裁判するしか方法はありません。

お客さまと供に歩み、笑顔でゴールを

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直筆体験談より引用

あれこれ気になるし、分からない事だらけだし、なかなか前に踏み出せないですよね。
私も、そうでした。けど、案ずるより産むが易しという言葉のように、あれこれ考えるより、勇気を出して一歩踏み出してみて下さい。
分からない事は、何でも聞いて、相談してみましょう。
今より少しでも気持ちが楽になるかもしれないし、ちょっとしたハッピーが待ってるかもしれませんよ!
私は、勇気を出して前に進めて、本当に良かったと思っています。

この記事のチェックポイント

  • 審理や記録が公開される裁判。借金バレが怖い人は、これを気にするかどうか
  • 法律や規則があるため、業者から依頼者への直接連絡はほぼないと考えていい
  • 控訴する・しないはあくまで業者が判断すること。対応や返還率の変化は絶対ないと言い切れない
  • 裁判せず任意交渉での和解を望むなら、金額面の妥協は避けられない
伊藤先生からのメッセージ

司法書士
伊藤勝博
一度限りの過払い金請求。
当事務所でお手続きされる方も、そうでない方も、笑顔でゴールを迎えてほしいと思います。
まずは何でもお話ください。

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